コロナ禍で見直す「お金の使い方」あなたの家計はどう変化した?

コロナ禍で見直す「お金の使い方」あなたの家計はどう変化した?
マネーケア

新型コロナウイルスの流行により、これまでの生活が一変しました。コロナ禍の生活がしばらく続くとなれば、新しい生活でのお金の動きをしっかり把握する必要があります。

今はまさに、お金について見直す良い機会。どのように見直していけばいいのか、アフターコロナでも使えるマネテクを見ながら考えていきましょう。

コロナ禍による収入や生活の変化

新型コロナウイルスの流行により、テレワークを導入する企業や、休業により勤務日数が減ったなど、働き方や収入額にも大きな変化があった人もいるでしょう。また、緊急事態宣言発令により、自宅で過ごす時間も大幅に増えました。そんなコロナ禍で、私たちの収入や生活はどう変わったのでしょうか。

収入や働き方の変化

日本労働組合総連合会が2020年11月に行った「コロナ禍における雇用に関する調査」によると、「コロナの影響で2020年の賃金総額が減る見通し」との答えた人の割合が29.9%となりました。

また、株式会社パーソル総合研究所が2020年11月に行った「テレワーク実施率調査」では、正社員のテレワーク率は全国平均で24.7%、非正規雇用の場合は15.8%という結果が出ています。テレワークの実施率を企業規模で見ると、1万人以上の企業は45.0%、100人未満の企業では13.1%であり、職種別では情報通信業で最も高く55.7%となっていました。

上記データから、コロナ禍によりおよそ30%の人の収入が減ったことがわかります。一方で、テレワークの導入など、働き方の変化は、企業規模や業種で大きく異なることがわかりました。

家族や社会への意識にも変化

内閣府政策統括官(経済社会システム担当)」が2020年6月に行った「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、コロナウイルス流行前と比べて、家族の重要性をより意識するようになったと回答した人の割合は49.9%となりました。

また、家族と過ごす時間が増えたと回答した人の割合は、70.3%にのぼり、特にテレワークや勤務日制限などの経験者でこの割合が高くなっています。一方、生活の楽しさ・社会とのつながりについての満足度は、低下傾向となりました。

上記のデータより、不要不急の外出の制限により社会とのつながりが希薄になっていることが見えてきます。一方、家族と過ごす時間が増えたことで、家族のあり方や自宅でどう過ごすかに目を向けるようになった人が多いこともわかりました。

コロナ禍で変わったお金の使い方とは

総務省統計局の発表した「2020年家計調査報告」では、1世帯当たりの1ヶ月の消費支出は233,568円であり、2019年と比較して6.5%減少しています。全体の支出も減っていますが、お金の使い道についても変化があったようです。詳しく見ていきましょう。

コロナ禍によって出費が増えたもの

家計簿アプリマネーフォワードMEを運営する、株式会社マネーフォワードが実施した「お金の意識調査2020」によると、2019年と比べて支出が増えたものは以下のとおりです。

1位:食費
2位:水道・光熱費
3位:日用品

外出自粛やテレワークにより、自宅で過ごす時間が長いことによる生活費の出費が増えていることがわかります。

コロナ禍によって出費が減ったもの

同調査による支出が減ったものは以下のとおりです。

1位:交際費
2位:趣味・娯楽費
3位:交通費

こちらでは、外出自粛や感染予防対策による人と会う機会の減少や、レジャーの自粛が影響していますね。以上2つの結果から、コロナウイルスの流行によって、外で遊ぶよりも自宅で過ごすときに使うお金が増えたことがわかります。

コロナ禍でもお金を貯めるコツ

マネーフォワードによる「お金の意識調査2020」で、「コロナウイルスの流行により、節約意識が高まった」と回答している人が3割いることがわかりました。節約意識が高まった理由として、約6割が「将来への不安が高まったため」、半数が「いざというときの必要資金を準備するため」と回答しています。

コロナ禍を機に、将来を見据えたお金の使い方を考える人が増えているようです。しかし、全体の支出は減っても、収入自体が少なくなればお金を貯めるのも難しくなります。コロナ禍でお金を貯めるにはどうすればよいのか、対策を考えていきましょう。

まずはコロナで変化したお金の流れを掴む

先述の「コロナ禍によって出費が増えたもの」の3位に「日用品」がありましたが、外出自粛により日用品をネット通販で購入する人が増えているようです。実店舗での買い物をできるだけ控えたいという理由、あるいは、インターネットを使用する時間自体が増えたことなどが考えられます。

また、自宅にいながらできる娯楽として、動画配信サービスやマンガアプリに課金するようになった人もいるようです。月額定額コースなどといった料金設定など、デジタル固定費が増えている傾向もあります。カード払いがほとんどであるため、お金の使いすぎに気付くのが遅れるケースもあるようです。

紹介したように、コロナ禍でお金の使い道が変わっている人も多いと思います。まずは今、自分が何にお金を使っているか、洗い出すことが大切なのではないでしょうか。

コロナは長期戦。貯蓄計画の見直しをする

コロナ終息までは、数年かかる可能性があります。また、コロナに限らず、災害や社会情勢の影響を受け、今後私たちのライフスタイルが変化することは十分考えられます。そのような不測の事態において慌てることがないよう、貯蓄計画を見直すことは有効です。

株式投資などの資産運用をする、リモートワークで完結する仕事をしているのであれば、住む場所を変えることで必要生活費や住宅購入費を抑えられる可能性もあるでしょう。今後どのようなライフスタイルにしたいかに合わせ、貯蓄計画を見直してみることをおすすめします。

リモートワークへの移行で浮いた時間を活用し、投資や副業をする

リモートワーク最大の恩恵が通勤時間の減少です。出張なども減り、仕事関係で縛られる時間が少なくなった人も多いと思います。せっかくできた時間は有効活用したいですよね。

近年、働き方改革が叫ばれるようになり、副業が解禁される企業も増えています。浮いた時間で自身のスキルを活かした副業をしたり、いざというときの資金を用意する方法のひとつとして、投資をはじめるのもよいのではないでしょうか。

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ayaya

結婚を機に少しはお金について知っておこうとFP2級を独学で取得。 株取引にチャレンジしたり新しい電子マネーができればすぐに試したりするなど、我が家の資産を増...

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監修者: 千見寺 拓実

株式会社インヴァランス 1994年生まれ。静岡大学卒業。2017年に株式会社インヴァランスに入社。 2級ファイナンシャルプランニング技能士

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