投資系YouTuberにご用心? 情報を鵜呑みにするのは危険

投資系YouTuberにご用心? 情報を鵜呑みにするのは危険
マネーケア

YouTube・Twitter・Instagramなどには日々さまざまなジャンルのコンテンツが投稿されています。投資に関する情報も、例外ではありません。投資系YouTuberやTwitter・Instagramの有名投資家の発言が、市場でも材料になるケースも出てきているのです。

しかし、だからといって、それらの情報を鵜呑みにするのはNG。その理由と、動画やSNSで投資情報を見る場合に気をつけるべきポイントをまとめてご紹介します。

YouTubeの株式投資チャンネルが増えている

近年、投資の情報を配信している「投資系YouTuber」が増えています。試しにYouTubeで「投資」と検索してみてください。動画やチャンネルがたくさんみつかります。中には、何十万回も再生されている動画や、チャンネル登録者数が10万人を超えるような人気チャンネルもあります。

投稿されている内容も実にさまざま。投資の心構えや考え方にはじまり、金融機関の特徴やおすすめ、口座の開設方法、株式投資・投資信託・FX(外国為替証拠金取引)といった投資先(商品)の説明、おすすめの投資先・投資法など、まとめるだけで十分本になるほどの量です。こうした情報が無料で手に入るのですから、確かに便利ですよね。

こうした動画は、本よりも情報の鮮度がいいのがメリットです。ある情報が出たとき、本だと作って印刷して世に出るまでにどうしても数日〜数週間のタイムラグが生じます。しかし、YouTubeなら、投資系YouTuberがすぐ動画を作って公開していますから、こうしたタイムラグが少ないのです。

YouTubeだけではありません。TwitterやInstagramといったSNSでも、さまざまな投資情報が飛び交っています。こちらは、YouTubeよりもさらに即時性が強いので、投資に影響を与えそうなニュースが出ると一気に盛り上がります。著名な投資家の今の考えに触れ、自分の投資に生かすこともできるのです。

20代・30代の若い投資家が増えているのが背景にある

こうしたメディアで投資情報が人気になっている背景には、20代・30代の若い投資家が増えていることがあります。2019年に話題になった「老後資金2000万円不足」問題や、2020年の新型コロナウイルスによる経済の冷え込みを受けて、若年層が将来のお金のために投資をスタートさせているということは想像に難くありません。

実際、たとえば楽天証券によると、2020年3月(いわゆる「コロナショック」の最中)の新規口座開設数が過去最多の約16万4000口座となったといいます。新規口座開設者の内訳を見ると、20代が29.4%、30代が31.6%で全体の約6割になっています。同社によると、その4年前(2016年)の新規口座開設者と比べて、若年層・女性・初心者が増加しているそうです。

楽天証券の新規口座開設者の比率(2016年と2020年3月の比較)

口座開設者の年代

口座開設者の年代
20代・30代の割合が役5割から6割に増加

口座開設者の男女比

口座開設者の男女比
女性の割合が約3割から4割に増加

口座開設者の投資経験

口座開設者の投資経験
初心者の割合が約6割から7割に増加
図:楽天証券のプレスリリースより筆者作成(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000308.000011088.html)

また、スマホを使って簡単に投資できる「スマホ証券」も投資のすそ野を広げる役割を果たしています。1株単位・数百円程度で株式投資をしたり、積立で投資信託を買ったり、ポイントで投資をしたり、といったことがスマホだけで簡単にできます。こうした新しい取り組みを受け入れやすいのはやはり、若い世代です。

若い世代の情報収集ツールは、今や本やセミナーではなく、動画やSNSです。投資に関する情報も、多くの場合動画やSNSで得ていることでしょう。

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頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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