国の借金って何? 借金の現状や減らす方法とは

マネーケア

ニュースでよく耳にする「国の借金」。なんとなく途方もない金額だということは知っていても、それが何なのか、どうして減らないのか、よくわからない方も多いのではないでしょうか。
今回はそうした、国の借金の現状や、借金を減らすための方法について、まとめて紹介します。

国の借金は1114兆円!

国の借金とは、国債・借入金・短期証券の合計額です。
ごく簡単にいうと、国債は国の支出を補うために発行される債券、借入金は国が金融機関から調達するお金、短期証券は一時的な資金不足を補う証券です。

財務省の「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高(令和2年3月末現在)」によると、国債が987兆5886億円、借入金が52兆5325億円、そして短期証券が74兆4188億円となっています。合計で1114兆5400億円。これが、国の借金です。ちょっと、数字が大きすぎてイメージしにくいかもしれません。

なお、国の借金のニュースになると、しばしば「国民1人当たりの借金」がいくらと報じられます。国の借金を人口で割ったものが国民1人当たりの借金だというのです。
この金額が発表されたときも「国民1人当たりの借金は約901万円」などとする記事がありました。しかし、この数字には意味がありません。なぜなら、国債の約95%は国内で保有しているからです。

国債をたくさん持っているのは、銀行です。銀行は、個人や企業が預けたお金を運用するために国債を買います。
つまり、間接的ながら「国は私たちから借金をしている」といえるのです。「901万円も借金を背負っている」ではなく「901万円も貸している」が適切な表現です。暗くなる必要はまったくありません。

それにしても、なぜ国の借金は減らないの?

国の借金が減らない理由は単純です。借金返済額よりも多額の借金をしているからです。

2020年度の国の予算(一般会計総額)は、102兆6580億円です。100兆円を突破したのは、2019年度に引き続き、2度目です。国は、これらの予算を行政サービスに利用します。
たとえば、医療や年金などの社会保障に回したり、地方に交付したり、公共事業・教育・防衛などに使ったりしています。そして、国債の返済にも充てています。国債を買ってくれた相手に、元本と利息を返しています。

これらの支出(歳出)をまかなう収入源(歳入)は主に、税金と新たに国債を発行して得られるお金です。
かつては、支出はほぼ税金だけでまかなっていましたが、バブル崩壊後の1990年代からは、減った税収を補うために国債がどんどん発行されるようになりました。

日本では高齢化が加速しており、医療費や介護費などの社会保障費が増加しています。
しかも、2022年には人口の多い「団塊の世代」が後期高齢者と呼ばれる75歳以上になりはじめます。社会保障費は今後さらに増加するでしょう。

そうした予算を補うため、2020年度に新たに発行される国債の額(新規国債発行額)は32兆5562億円です。
それに対して、2020年度の国債の返済額(国債費)は23兆3515億円。これは、借金を返済するために借金をして、行政サービスを実行するために新たに約9.2兆円の借金を抱えたことを意味します。

しかも、これだけではありません。国は、当初の予算ではまかなえないと判断した場合には、補正予算を組みます。2020年度も、新型コロナウイルスの感染症対策のために補正予算が組まれています。この補正予算のお金の出どころも、国債です。こうして、国の借金は増加の一途をたどっていくのです。

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頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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