今注目の「SDGs」「ESG投資」とは?投資先として選ぶ新しいポイント
投資をするには、経済のトレンドには敏感でありたいものです。
最近注目のキーワードは、「サスティナブル(=Sustainable、持続可能な)」。
目先の利益に惑わされず長期的な視点に立った考え方は、これからの経済を考える上で欠くことのできない視点です。
今回は、持続可能な経済社会をふまえた、SDGs・ESG投資と言われる投資について解説します。投資先として選ぶポイントは、どのようなものがあるか、考えてみましょう。
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、持続可能な開発目標
SDGsは、2015年の国連サミットで採択された、2030年までの目標です。Sustainable Development Goals(サスティナブル・デベロップメント・ゴールズ)の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。
SDGsには17の目標が定められ、2030年までに達成すべく、国連加盟各国でさまざまな取り組みがなされています。
SDGsの目標を順番に見てみましょう。
貧困や飢餓を無くそうという目標は、開発途上国だけのものではありません。日本にも貧困や飢えがあり、格差が問題になっています。
景気がよくなるためには、誰もがさまざまなモノやサービスを買える、消費の活性化を考えることも大切になるでしょう。
エネルギーや災害対策などは、環境問題であると同時に経済の問題でもあります。たとえば、災害対策をしていなかったために、1度の災害で回復不能なダメージを受けてしまうと、経済的損失も甚大です。
これは、国家レベルだけではなく、ひとつひとつの企業でも言えることです。
これらの目標達成が、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
日本でもこの目標に向けて、アクションプランが作られています。
日本のSDGsを実現するためのアクションプラン(2020)は、次の3本柱が中核です。
- ビジネスとイノベーション~SDGsと連動する「Society 5.0」の推進~
- SDGsを原動力とした地方創生、強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり
- SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント
このうち、1のビジネスに関する分野では、「企業経営へのSDGsの取り込み及びESG投資を後押し」を加速していく、と明確にうたわれています。
企業経営のあり方に、SDGsを取り込むことは、持続可能な企業、産業、ひいては社会にとって重要なことは見てきたとおりです。
では、ESG投資とはどのようなものでしょうか。
ESG投資とは
ESGとは、次の3つの頭文字をとったものです。
- 環境=Environment
- 社会=Social
- 企業統治=Governance
ESGに配慮した投資をすることが、ESG投資です。
環境問題や社会問題の解決に対しても行動をとっている企業は、SDGsの達成へ貢献しており、中長期的に見て企業価値が高い企業と言えます。
また、企業統治がしっかりした経営は透明性が高く、不祥事などのリスクが小さいため、安定した成長が見込めます。
そのような企業への投資がESG投資として、機関投資家だけなく、個人投資家の間にも広まりを見せています。
ESG投資とは、利益を上げられる投資でもある
企業に投資をするということは、経営に賛同し、応援するという意味合いも含まれています。成長している企業に投資をして利益を上げられても、実はあくどいことをしていた、ということが後からわかると、投資家としてはやりきれないのではないでしょうか。
実際にこのようなことがあれば気持ちの問題だけではありません。短期的な利益が出たとしても、不祥事などが明るみに出れば企業価値は下がり、経済的にも大きな損失になってしまいます。
逆に、ESG(環境・社会・企業統治)を重視した経営をする企業は、社会的な価値が高くなり、収益があがり、投資家にとっても利益を上げられる企業になります。
たとえば、コーヒーショップチェーンのスターバックスコーヒーは、プラスチック製のストローを廃止し、紙製のストローを導入することを発表しています。また、コーヒー豆は主に発展途上国で作られたものを適正価格で取引をするフェアトレードで入手しており、その国の生活向上にも貢献しています。
そのようなお店を利用したい、と思うお客さんが増えれば企業の収益があがり、投資家にも利益の還元がある、というわけです。