3章第4話:「NISA口座開設!」/恋する3センチヒール

恋する3センチヒール

若いうちからお金を運用することに対する必要性を改めて感じた玲奈。
そんな玲奈が今始めている運用は・・・?
前回 3章第3話:「坂道の法則」

3章第4話「NISA口座開設!」

「そういえば私、玲奈の他の運用について気になっていたんだった!」

ルーズリーフとペンを鞄にしまいながら、心音は言った。

「あはは。そうだった。話しずれちゃってたね」

私は、最後の一口になったモンブランを食べた。

「今やっているのは、NISAとJ-REITかな。不動産投資も始めようとしているとこ」

「NISAやってるの?私も最近NISA気になっているんだよね。教えて欲しいな」

キラキラとした目で、心音は私を見た。
一度しまったルーズリーフとペンも、机の上にまた置いた。

「えとね、イギリスでISAっていう少額投資非課税制度っていうものがあって、それの日本版だからNISAっていうのは知ってる?」

「NISAのNって、NIPPONのNなの?!知らなかった」

「けれど、2014年7月からイギリス版のISAも制度が大幅に拡充されたから、名称がNew ISAになって、略してNISAになったのです!」

癖で、右手の人差し指をピッと立ててしまった。
心音も真似して、右手の人差し指をピッと立てた。

「略称が、日本と同じになったのか」

「そう。面白いよね!NISAは、簡単にいうと少額の投資を非課税で出来る制度なの」

「っていうのは…?」

心音は、首を傾げた。

「額に関わらず、株式投資や投資信託で得た配当金とか売却益には、通常だと20%が税金として徴収されるのは知ってる?」

「そうか、株って税金かかるの忘れてた!」

「税金って、結構大きいよね。それが、毎年元本120万円を上限として、その元本120万円で得た売却益や配当金には最長で5年間税金を徴収されないのがNISA。例えば、元本100万円で購入した銘柄が3倍の200万円になった場合、利益200万円に対して税金が20%かかるの。そこで40万円は徴税されるから、手元に残るのは元本と160万円。けれど、NISAを使った取引だったら300万円手元に残るの」

話しの途中から、心音は口を左手で覆って驚いたような表情をしていた。
チラっと心音と目を合わせると、「そのまま進めて!」というようにウンウンと頷いた。

「買えるのは合計額で、120万円まで。しかも、購入できる期間は1年間なの。買える期間は1年間だけど、買ったあとは5年間その株を持っていることが出来て、その期間その株は非課税」

「大きいね!」

「ちなみに、NISAは2014年から2023年までの10年間の期間限定制度っていうことは覚えておいた方が良いかも。この10年間に毎年NISA口座を使えるチャンスがあって、5回まで使えるから最大600万円分を非課税で投資できるの。しかも、2014年と2015年は非課税枠が年間100万円だったんだけど、2016年の今年から、年間120万円に増額されたんだよ」

心音は腕を組みながら、力強く一回頷いた。

「ありがとう!私も、NISA口座開設しようと思う」

心音は、ルーズリーフに大きな字で、【NISA口座開設!】と書き込んだ。
顔を上げた心音の鼻が勢いのあまり膨らんだのを見て、私はお腹を抱えて笑った。

※NISAは2018年より現行のものから改正される可能性があります。
小説上では2016年のものとなっております。

3章第5話:「1日の終わりに」

みかみ

パグ犬愛好家。 趣味は、投資。夢は、世界を虜にする小説家。

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