退職や転職の時の住民税は意外と盲点 手続き忘れに気を付けて

税金

手続き方法と、退職後の支払い方法

退職時には、「給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書」を自治体に提出します。退職前の会社がしてくれることが一般的ですが、念のため確認しておくと安心です。

退職後すぐに転職先で働く場合は、特別徴収を継続して、給与からの源泉徴収を続けることができます。継続できると支払い忘れが防げますし、1回の支払い金額が抑えられます。
ただし、手続きが少々煩雑です。

  1. 退職前の会社で届出書を記入してもらう
  2. 転職先の新会社に届出書を送って「転勤(転職)等による特別徴収届出書」の欄に必要事項を記入してもらう
  3. できた届出書を自治体に提出する

新旧の会社間でのやりとりをお願いできない場合や、転職までの期間があく場合には、いったん普通徴収に変更して、新しい勤務先で特別徴収の手続きをすることになります。
退職前の会社からは、「転勤(転職)等による特別徴収届出書」は空欄のままで提出されますので、特別徴収から普通徴収に切り替わり、自治体から住民税の納付書が送られてきます。
新しい勤務先での手続きには数カ月かかることもあります。それまでは納付書での支払いを忘れずにしましょう。

フリーランスで働くことにした場合には、その後ずっと普通徴収になります。
支払い忘れを防ぐためにも、口座振替の手続きをしておくといいでしょう。
クレジットカード払いを選べるようにもなりましたが、手数料がかかりますので注意が必要です。

勘違いで払い忘れ?! 滞納するとどうなるか

納付書が届いても、「会社をやめたから関係ない」、「転職先がやっておいてくれているはずだから何かの間違い」、などと勘違いして払わないままにしておくと、大変なことになりかねません。
支払いが遅れると延滞金がつく場合があり、その時には延滞金の納付書が後日届きます。
いつまでも払わないと督促状が届き、それでも払わないと催告状が、さらに払わない場合は強制執行で財産の差し押さえ、という事態にも。

住宅ローンなど金融機関で借り入れをする時や、公営住宅への入居時など、納税証明書(滞納のない証明)が必要になることがあります。税金をきちんと払っているかどうかは、さまざまな場面で問われること。手続き忘れや納付忘れは禁物です。

住民税は前年の所得に対してかかるため、分かりにくい部分もあるでしょう。
しかし、税金の滞納は避けなければなりません。うっかり忘れてしまわないようにしておきましょう。

タケイ 啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。 36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務...

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