ベビーシッター利用で、思わぬ税金がかかるって知ってた?!
150円だからといって飛びつくと、税金が発生することがある
1時間あたり150円(税込み)で利用できますが、本来は2000円前後の費用がかかるのが一般的です。
仕組みとしては、各認定事業者が1時間あたり2400円(税込み)を上限に定めた利用料から、利用者負担額150円を差し引いた額を、東京都と区市町村が公費で負担し、認定事業者に支払います。
この公費で負担した額(助成額)は利用者にとって「雑所得」となり、その年の税金が増えてしまう可能性があります。
つまり差額の2250円は所得とみなされて、確定申告が必要になることがあります。
東京都がモデルケースとしてあげている税額表で見てみましょう。
モデルケース税額表
東京都「モデルケース税額表」より抜粋
では、具体例を挙げてみましょう。
例)
年収500万円の方が2020年4月から12月までの9カ月間、月平均160時間利用(1日8時間で週5日利用)。ベビーシッター代は、1時間あたり2400円(税込み)のサービスを利用。給与収入と、この助成金のみを確定申告した場合。
月額の助成金は、差額の2250円×160時間=36万円
9カ月利用したので、36万円×9カ月間=324万円
この324万円が助成金です。このお金は所得とみなされ給与収入500万円とあわせて課税対象となるため、年額約87万8400円(月換算額約7万3200円)の所得税・住民税があらたに発生することになります。
ベビーシッター利用時の負担額は、
月額では、150円×160時間=2万4000円
9カ月で、2万4000円×9カ月=21万6000円
税金とベビーシッター利用時の負担額の合計は、
9カ月間の合計は、87万8400円+21万6000円=109万4400円
1ヵ月あたりでは、109万4400円÷9カ月=12万1600円
加えてベビーシッターの交通費等がありますので、ざっくり見積もっても1カ月あたりの出費は15万円くらいになってしまうかもしれません。
助成金は「雑所得」にあたり、雑所得金額が20万円以上の場合は確定申告が必要です。
また、20万円以下の場合にも住民税の申告が必要になります。申告手続きや計算方法などは各人で異なりますので、不明点は居住地の管轄税務署に確認しましょう。
一方、この事業を利用しないでベビーシッターを頼むとなると、
2000円(1時間あたりの一般的な費用)×160時間=32万円/月
と、かなり高額な負担になります。
調べた上で利用を検討する
所得が増えることであらたな税金が発生するだけではありません。人によっては翌年以降の保育料、国民健康保険料、介護保険料、配偶者の勤務先の家族手当や、ひとり親家庭の児童扶養手当等にも影響が出てくる可能性があります。
この事業の利用を検討する際には、それらもあわせて念入りにチエックした上で判断していきましょう。
まとめ
幼子を抱えたママの一日は目まぐるしいものです。職場復帰に向けて準備をし、さらに慣れない確定申告までするとなると、その負担は計り知れません。1人で何でもやろうと無理をせず、家族などの協力を仰いで最善策を探り、この大変な時期を乗り越えていってほしいと願っています。