「年金の早期受給」損か得か!? 今から知っておきたい注意点とは
年金・社会保険
よく考えて!3つの注意点
繰上げ受給は、早くから年金がもらえる嬉しい制度ですが、年金額が生涯減ってしまうことに加えて、繰上げ受給したことで65歳になったとみなされてしまうため、次のような3つの注意点もあります。
注意点1:60~65歳の間に障害基礎年金が受給できなくなる場合がある
例えば、繰上げ受給をしたあとに、交通事故などで大けがをして、障害基礎年金に該当するような障害が残っても、障害基礎年金を受給することはできません。
障害年金は、障害の原因となった病気やけがで初めて医師の診察を受けた日(初診日)が65歳まででないと対象とならないからです。
この場合は、繰上げ受給の老齢基礎年金より障害基礎年金の方が年金額は多いので、生涯で考えると大きな損となります。
注意点2:65歳までは遺族年金か、繰上げた老齢年金かのどちらかしかもらえない
配偶者が死亡し、遺族厚生年金を受け取ることができるようになった時、65歳までは遺族厚生年金と繰り上げた老齢年金のどちらかしか受け取れません。
もしも遺族厚生年金の額が老齢年金より多ければ、繰り上げた意味が全くなくなって、65歳からの老齢基礎年金も減額されたままで一生涯受け取ることになります。
注意点3:10年以上婚姻歴のある妻が受給できるはずの「寡婦年金」が受給できない
寡婦年金は、第1号被保険者の夫が、保険料を10年以上納付していたのに老齢基礎年金をもらわずに亡くなったときに、10年以上婚姻関係があった妻が受け取ることができる年金です。
60歳から65歳までの間のみ受け取ることができるので、繰上げ受給すると65歳になったとみなされてしまうため、寡婦年金は受け取れませんし、すでに寡婦年金を受け取っている場合は繰上げした以降は寡婦年金を受け取る権利がなくなります。