年金額が引き下げになる要因って何がある?

年金・社会保険

生涯受け取ることができる国からの年金は、老後の暮らしにとって大きな安心であることは間違いありません。その大切な年金の基準となる額は毎年4月に再計算され、その基準額をもって、それぞれ個々の年金額が改正されます。では、その基準額はどういう要因で決まるのでしょうか?
今回は、基準年金額が決まるしくみと、どのような場合に下がるのかを解説します。

年金の決められ方

年金額は前年度の改定率を基準に、「賃金変動」と「物価変動」を反映して、当年度の改定率が決まります。
68歳に達する年度前の年金を受け取る権利のある人を「新規裁定者」、68歳に達する年度以後の年金受給権者を「既裁定者」といい、新規裁定者は賃金変動をベースに改定され、既裁定者は物価変動をベースに改定されるのが基本的な考え方です。

新規裁定者(68歳到達年度前の受給権者)の改定率計算式

前年度改定率×名目手取り賃金変動率×マクロ経済スライド調整率

既裁定者(68歳到達年度以後の受給権者)の改定率計算式

前年度改定率(再評価率)×物価変動率×マクロ経済スライド調整率

つまり、新規裁定者は、賃金が下がれば基準年金額が前年より下がることになり、既裁定者は、物価が下がれば基準年金額が下がるということになります。

ただし、既裁定者の人について、物価は上がったけれど賃金が下がったときは、公的年金は世代間の仕送り制度である「賦課方式」をとっているので、現役世代の負担を軽くするために、基準の改定率は据え置かれます(2021年度からは、賃金に合わせて下がる予定です)。
なお、マクロ経済スライド調整率は、少子高齢化が進む今では改定率を下げる要因となります。
参考:日本年金機構「年金Q&A(年金額の改定について)年金額はどのようなルールで改定されるのですか。」

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小野 みゆき

中高年女性のお金のホームドクター 社会保険労務士・CFP・1級DCプランナー・年金マスター・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 企業で労務、健康・厚生...

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