夫婦のお互いの収入を知らないカップルは3割以上! 家計はどうなる?

貯金・家計

 2019年3月にゲンナイ製薬(本社:東京都千代田区)が行った夫婦の金銭事情に関する調査では、夫婦間でお互いの収入を知らないカップルが、約3割に上りました(サンプル数:1917名/対象:既婚女性)。
今回は今ドキの夫婦間のお金の事情を探ってみたいと思います。

■夫婦のお互いの収入、「正確に知らない」が3割以上

 調査結果は次の図の通りです。7割近いカップルがお互いの年収を把握しているアンケート結果は、筆者の感想では「意外と多い」でした。


ゲンナイ製薬調べ「夫婦の収入と貯蓄額に関するアンケート調査」より

なぜなら、日頃の業務では、筆者の相談顧客の多くが「パートナーのお金の事情を知らない」と答える為ですが、その多くは子供のいない世帯です。
確かに子供にかかる教育費相談などでは、ご主人同席で源泉徴収票を持参されているので、その場合は「知っている」に分類されるでしょう。
しかし、多くの夫婦はお互いのお金の事情を知らない、というのが筆者の実感です。

また夫婦間で家計管理を誰がしているか、という質問に対しては以下の通りです。
l 妻…45.2%
l 夫…16.0%
l 共同で管理…38.8%

 昔から「財布の紐は家内が握っている」「我が家の大蔵大臣はママ」などと言われるように、妻が家計管理をする図は相変わらずのようで、共同管理を含めると84%で妻が家計を把握しているという事になります。
しかし、次のグラフが示す様に共働きが増えて、今後もその傾向が高まる中、個人的には5年後、10年後に同じ質問をしてどのような結果になるか興味深いところです。


内閣府男女共同参画局調べ 2017年度版男女共同参画白書より

今後、共働きの他に離婚率、転職率が上がるにつれ、世帯や組織としての意識よりも「個」としての意識が優先され、家計の中で主導権をどちらかが持つというスタイルは、徐々に減っていくであろうと筆者は予測します。

■家計の「見える化」は必要だが、夫婦円満には適度な距離感を

夫婦間でお互いの収入事情を知らないと、どのような影響があるでしょうか。
相談者の中でもっとも多いのは、「将来(老後)の生活設計をしたいが、今のままの生活を続けていいのかが不透明で、不安」という意見です。
しかし、妻である相談者が、夫婦のお金を効率よく運用して増やしたい、今の生活を続けると今後どうなるかシミュレーションしてほしい、と筆者の元を訪れても、世帯収入がわからない限り中途半端な設計になってしまいます。

そもそも既婚未婚問わず、相談者が有料相談に訪れるのは、「将来に対する不安」から、今何ができるか、何をすべきか確認する為だと、筆者は認識しています。その試算の為に、現在の収支と将来の予測値をなるべく正確に知る必要があります。
夫婦のお金の相談であれば、夫婦それぞれの収入や資産状況を分析することが不可欠なのです。

お互いの資産状況を知らないままにしておくと、家計の問題が先送りになり、効率の良いお金の使い方ができないまま時間を過ごしてしまう、機会損失が発生する可能性が非常に高くなります。「現状を知る、見える化する」という事が、問題解決のためには何より重要だと思います。

とはいえ、夫婦間でお金の事情を知らないのは、日常生活において、夫婦といえども一定の距離を保つ効果があり、「干渉しすぎないことで、円満になる」という良い結果になる事も、筆者は理解しています。(余談ですが、筆者は独身です、パートナーができたらきっと夫婦別財布にすると思います)

実際に同じアンケートの中で、夫が「夫婦の貯蓄額を完全に把握している」という人を除いた1538名に「夫婦関係の満足度合」を質問したところ、1(満足度低)~5(満足度高)の分類では次のような結果になりました。
夫婦関係を良好に保つには、必ずしも夫婦のお金の事情をお互いが完全に把握している必要はないのです。

■FPがお勧めする方法は?

 夫婦円満の秘訣のひとつが、お互いの資産に関して干渉せず「聞かない」という策をとる事であれば、それは大事なことでしょう。夫婦それぞれが、お金の使い方を有効にかつ、将来への計画も立てるようにするには、夫婦それぞれにFP(ファイナンシャルプランナー)を付け、各自の計画を立て実行することです。

そして夫婦が資金を出し合う「共同の口座」を開設し、どちらかが管理し運用します。1年に1回でもいいので、一定期間ごとにパートナーへ報告をして、将来の財産に共通の認識を持つことをおススメします。お金の管理は得意・不得意があるでしょうから、より得意な方が共同口座の管理をすれば良いのです。最低限、共同口座に拠出する額を決めておけば、貯蓄を後回しにした散財を防ぐキッカケにもなります。

大切なのは、共同の口座にある夫婦のお金に対して、共通の認識を持つということです。相談者の多くは「私(妻)がしっかり貯蓄していても、夫はほとんどしていない(と思う)」と、日々の不安や不満が募っていき、FPの力を借りて明確にしようと、筆者の元を訪れます。

お金は信用です。お金のことがきっかけで、夫婦関係が悪化するなど最悪だと筆者は思います。そうならないために、お互いが共通の目標に向かって、せめて共同口座は「見える化」しておく必要があります。

■まとめ

 夫婦間のお金の事情はそれぞれ、必ずしもすべてを教える必要はありません。しかし共通の認識や目標がないと、いずれ大きな問題に発展することも考えられます。プライベートな口座は各々が管理し、二人の将来の為に共同口座をつくり、そのお金をどのように使うか、運用するかは、夫婦で話し合われることをオススメします。

佐々木 愛子

ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅱ種 国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中...

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