2023年から始めたい 初心者がやったほうがいい投資
コア・サテライト戦略で資産を守りながら増やす
長期・積立・分散投資を利用しつつ、お金を増やしていくために取り入れたい戦略に「コア・サテライト戦略」があります。コア・サテライト戦略は、自分の資産の7割〜9割を「コア資産」、残りの1割〜3割を「サテライト資産」にして運用する戦略です。
コア・サテライト戦略のイメージ 過去作と同様なので作成なし
(株)Money&You作成
コア資産では、長期・積立・分散投資を行い、資産を堅実に増やすことを目指します。対するサテライト資産では、機動的な売買を行うことで積極的に利益を得ることを目指します。つまり、守りながら攻めることでお金を減らさずに増やす運用を行うのです。
これから投資を始めるならば、まずはコア資産から作ることが大切。長期・積立・分散投資を意識して、じっくりと投資に取り組みましょう。
コア資産・サテライト資産でまず取り組むべき投資は?
コア資産・サテライト資産のなかから、まず取り組むべき投資を3つ、取り上げます。
コア資産おすすめの投資①:つみたてNISA(新しいNISA)で投資信託に投資
つみたてNISAは、NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)という制度のひとつです。
投資で得られた利益には、通常20.315%の税金がかかります。仮に100万円の利益があったら、本来は約20万円が税金として引かれてしまうのです。
しかし、NISAを利用した投資なら、この税金がゼロにできるので、100万円が丸ごともらえます。税金が非課税の分だけお金が増えやすいのはもちろん、利益を再び投資することで複利効果も受けやすくなります。
つみたてNISAは、年間40万円までの投資で得られた利益(運用益)にかかる税金を20年にわたってゼロにできる制度です。
つみたてNISAで投資できる商品は、金融庁が定める基準を満たす投資信託・ETF(上場投資信託)のみ。「つみたて」の名のとおり、コツコツと積立投資していきます。
投資信託は、投資したお金を専門家(ファンドマネージャー)がさまざまな投資先を選んで運用してくれる商品。投資信託の投資先は商品によってさまざまです。「国内の株式だけ」「外国の株式だけ」という投資信託もあれば、「国内外の株式・債券・不動産」にまとめて投資する投資信託もあります。
つまり、つみたてNISAを利用して長期間、積立で投資信託を購入することで、自然と長期・積立・分散投資ができるというわけです。
なお、つみたてNISAによる買付ができるのは2023年まで。2024年から始まる新しいNISAの制度では、年間120万円まで(つみたて投資枠)、240万円まで(成長投資枠)の投資の利益が無期限で非課税にできます。
【新しいNISAの主な変更点】
(株)Money&You作成
新しいNISAは制度が一気に充実します。投資するならばまず活用したい制度となるでしょう。
なお、2023年のつみたてNISAで投資した商品は、2024年からの新しいNISAとは別枠で保有ができるため、非課税で投資できる金額を増やせることになります。2024年を待たず、2023年から投資することをおすすめします。
コア資産おすすめの投資②:iDeCoで投資信託に投資
iDeCoは、自分で毎月一定の掛金を支払って定期預金・保険・投資信託で運用し、その成果を60歳以降にもらうことのできる制度です。運用の結果お金が増えれば、その分老後資金をたくさんもらえます。
iDeCoの大きなメリットは、掛金の拠出時・運用時・給付時の3つのタイミングで税制優遇が得られることです。
拠出時:
iDeCoで拠出した掛金は、全額が「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除の対象になるため、毎年の所得税や住民税が安くできる
運用時:
NISA同様、iDeCoの運用で得られた利益には税金がかからない
給付時:
iDeCoの資産を一時金でもらう場合は「退職所得控除」、年金でもらう場合は「公的年金等控除」という所得控除の対象になり、税金の負担を減らせる
iDeCoは月額5,000円からスタートできます。掛金の上限は、国民年金の種類や企業年金の有無などで変わります。
【iDeCoの掛金の上限額】
○国民年金第1号被保険者
・自営業者・フリーランス・学生
月額6万8,000円・年額81万6,000円
○国民年金第2号被保険者
・会社員
企業年金がない場合…月額2万3,000円・年額27万6,000円
企業型確定拠出年金のみある場合…月額2万円・年額24万円
確定給付型企業年金がある場合…月額1万2,000円・年額14万4,000円
・公務員
月額1万2,000円・年額14万4,000円
○国民年金第3号被保険者
・専業主婦(主夫)
月額2万3,000円・年額27万6,000円
iDeCoにもNISAと同じく、運用益非課税のメリットがあります。これを生かすならば、投資先はやはり投資信託です。毎月コツコツと積み立てることで、税制優遇を受けながら老後資金を用意できます。
サテライト資産おすすめの投資:株式投資
基本的には、つみたてNISA・iDeCoで上限金額まで運用し、コア資産がきちんと用意できたら、利益をさらに伸ばすためにサテライト資産への投資をスタートします。
サテライト資産の代表は株式。日本株や米国株への株式投資がおすすめです。
株式では、買ったときより値上がりしたときに売却すると値上がり益、保有していると配当金が得られるほか、株主優待がもらえる場合もあります(配当金・株主優待は実施していない会社もあります)。
普通、株式は100株単位で売買します。たとえば「1株1000円」ならば1000円×100株=10万円が必要になる計算ですから、少し敷居が高いと思われる方もいるかもしれません。しかし、「LINE証券」「CONNECT」「ferci」「PayPay証券」といった「スマホ証券」ならば、1株単位、あるいは100円・1000円からといった少額での取引ができます。
スマホ証券は、スマホでの株式投資に特化した証券会社。投資に必要な情報をわかりやすく示してくれているので、投資初心者でも始めやすいでしょう。また、スマホで取引ができますので、いつでもどこでも、気になったときに株価を確認して、その場で注文を出すことができるため、手間もかかりません。売買手数料も安く、なかには月数回までであれば無料にしているところもあるので、お得です。
気になる銘柄があれば、少額から投資をしてみましょう。投資は知識を身につけることも大切ですが、実践して、体感することも大切です。
2023年から始めたい投資として、これから投資を始める初心者の方向けに投資の考え方・おすすめの投資先を紹介してきました。ただ、知識を身につけても、実際に投資しなければお金はいつまでも増えていきません。ぜひ今すぐ金融機関に口座を開設し、投資をスタートさせることをおすすめします。