「FIREで海外移住」候補はどこ? 各国の生活費・住居費を解説

「FIREで海外移住」候補はどこ? 各国の生活費・住居費を解説
マネーケア

FIREでの海外移住で注意しておきたいこと

シンガポールを除く5カ国は、生活費や住居費が安く済むことがわかりました。しかし、実際に海外移住するにあたっては、次のような点に注意が必要です。

円安が進むと円が目減りする

2022年になって、為替レートは一気に円安に進んでいます。2022年初頭に1ドル=110円程度だった為替レートは、2022年7月時点で1ドル=136円前後まで下落しました。海外移住しても、資産を円で持っている場合、外国の通貨に両替する際により多くの円が必要になってしまいます。つまり、円が目減りしてしまうのです。

これを防ぐには、資産の一部を外貨で保有しておく、あるいは外貨建ての資産を持っておくといった対策が考えられます。FIREを達成するにあたっては、米国株や国際分散投資を行う投資信託を活用する方が多いでしょう。外貨建ての資産は円安時に値上がりすることになるのでいいのですが、円を外貨に両替する際には、為替レートの変動によって生活費が減ってしまう可能性があることを押さえておきましょう。

急激なインフレが発生する場合もある

日本でもこのところ物価が上昇する「インフレ」が起こっていますが、海外の国の中には、日本よりも急速にインフレが起こっているところもあります。インフレは、通貨の価値が下落することと同じです。株などの金融資産はインフレに強い資産ではありますが、そこから得られる不労所得(お金)の価値は目減りすることになります。生活費がまかなえなくなるリスクがあることを考えておく必要があるでしょう。

政治・経済・治安・天候の面も要確認

日本は比較的治安も良く安全で暮らしやすい国ですが、海外の国の中には、政治などに不安を抱える国もあります。ひとたび混乱が起こると、経済動向が大きく変わったり、治安が悪くなったりすることも。外務省の「海外安全ホームページ」などで状況を調べてみましょう。

また、自然災害が多いのか少ないのかなど、天候面の確認も忘れずに。なるべく安全な国を選んだほうがいいことはいうまでもありません。

FIREの目的は、早期リタイアすることではなく、経済的自立を果たしてより自分らしい生活を送ることにあります。今後の生き方にも大きく関わる部分でもありますので、しっかり調査していきましょう。

頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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