携帯電話代の遅延でクレヒスに傷?気をつけるべきお金の使い方

携帯電話代の遅延でクレヒスに傷?気をつけるべきお金の使い方
マネーケア

携帯電話本体の分割払いはクレヒスに傷が

さらに、携帯電話本体の分割払いの未納があると、信用情報機関に情報が登録されます。

携帯電話本体の代金は、24回払い(2年間)などとして、携帯電話代とあわせて払っていることが多いので、携帯電話代の一部と考えてしまいがちですが、本体代金の分割払いはローンと同じです。

つまり、携帯電話本体の分割払い分を払わないのは、「借金の返済をしていない」ことと同じなので、登録される機関が異なります。

登録される信用情報機関には、CIC、JICC、KSCの3つがあります。

これらに登録された情報は、銀行やクレジットカード会社、消費者金融も照会できる情報になり、クレヒスに傷がついた状態になります。

それぞれの特徴は以下のとおりですが、3機関の情報は共有されるので、CICに加盟するクレジットカード会社で支払いの延滞をしたことが、KSCに加盟する銀行にも知られることになります。

・CIC:クレジットカード会社や消費者金融などが加盟
・JICC:銀行から消費者金融まで、多くの金融業者が加盟
・KSC:銀行(メガバンク、地方銀行、ネット銀行、信用金庫、信用組合)が加盟

登録される信用情報は、氏名・生年月日・電話番号といった基本項目のほか、延滞の有無、延滞の解消日、完済日などにわたります。

そして、完済=延滞の解消をしても、最長5年間は情報が残ります。

情報が残っている間は、クレジットカードやローンの新たな契約、分割払いができなくなることもあります。

支払いが遅れただけ、と軽く考えていると、住宅ローンが組めなかったり、クレジットカードの申し込みが通らなかったりと、大きな影響が出てしまうのです。

また、新しい携帯電話にしようと思っても、携帯電話本体の分割払いの審査が通らず、一括払いにせざるを得ないことにもなりかねません。

逆に言うと、携帯電話の本体代を一括で払っている場合には、携帯電話代の遅延をしてもクレヒスには関係がありません

万が一、支払いの遅延があってもクレヒスに傷がつかないように、一括で払っておくのもいいでしょう。

クレヒスを意識したマネー行動を

このようなことは、いわゆるクレヒスに傷がついた状態と言えます。

クレヒスとは、クレジットヒストリーの略で、内容はクレジットカードやローンの利用履歴と、その信用情報です。

クレヒスに傷がつくのは、支払いが遅れる延滞だけではありません。

たとえば、以下のようなことも、クレヒスに傷がつく行動です。

多重申込み

短期間にクレジットカードの申し込みが複数あると、多重申込みとしてカードが新たに作れない事があります。同時期に何枚もクレジットカードを作ると急激に利用限度額が増えるので、返済ができない可能性が疑われてしまいます。

キャッシングが多い

普段の買物にクレジットカードが使いやすくなった昨今、手元に現金がないだけならクレジットカードの1回払いで買物をすればいいようなものです。それをわざわざ利息のつくキャッシングを利用する目的は何でしょうか。あまり健全とは言えない用途ではと勘繰られることもあるでしょう。しかも、その金額が多いとなると、クレヒスにはマイナスです。

債務整理

借金=債務が返済できなくなり、民事再生、自己破産、任意整理などによって債務整理した場合にもクレヒスに傷がつきます。カード会社にとっては、回収できなくなった債権ですから、再発防止のため、そのような人にはお金は貸さない、つまりローンが組めなくなってしまいます。

強制解約

クレジットカードの支払いを、短い期間で何度も延滞すると強制解約になり、そのカードは利用不可になります。そしてクレヒスにも傷がつき、新たなクレジットカードやローンの契約は難しくなります。

このような、クレヒスに傷をつけるマネー行動は避けるよう心掛けたいですね。

反対に、よいクレヒスになるような行動をしていくといいでしょう。

信用情報機関であるCIC、JICC、KSCには、延滞だけではなく、支払い期限に遅れることなく利用していたことも登録されます。クレジットカードやローンを適度に利用して、きちんと支払うことを続けることで、よいクレヒスは作れます。

とはいえ、延滞がどうしても心配だからといって、クレジットカードをまったく使わないのも、クレヒスにはよくありません。

せっかく契約したクレジットカードなのに、利用そのものがなければ信用の積み重ねもできません。ほどよく利用して、よいクレヒスを作っていきましょう。

なお、住んでいる地域が災害などに見舞われたときには、クレジットカードやローンの支払いどころではありません。災害が起こった地域に居住している場合には、その旨が信用情報にも反映されますので、支払いが遅れることを恐れすぎなくても大丈夫です。

それよりも、やっておくべきは住所変更ですね。利用明細を郵送ではなくWEBでチェックするようにしていると、住所変更の必要性を感じず、転居しても手続きをしないこともあるかもしれません。

しかし、災害が起こった地域か否かによって、仕方のない支払い遅延になる場合もあれば、単なる遅延の扱いになる場合もあるので、住所変更は面倒でもしっかりやっておく必要があります。

ちょっとした注意と工夫でクレヒスはよくなります。

クレヒスを傷つけるマネー行動を避け、不利益を被らないようにしておきましょう。

まずは、携帯電話代の遅延をしないよう、身近なことから気を付けるクセをつけておくといいのではないでしょうか。

タケイ 啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。 36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務...

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