【Z世代のマネー学】投資信託の種類と投資信託の選び方
投資信託を選ぶ際に知っておきたいポイント
リスク許容度を踏まえた上で投資信託を選ぶといっても、投資信託は何せ6000本あります。良い投資信託を選ぶためのポイントを3つあげておきます。
①なるべくコストの安い投資信託を選ぶ
投資信託の手数料には、買うときにかかる「販売手数料」、保有中にかかる「信託報酬」、売るときにかかる「信託財産留保額」の3つがあります。
特に重要なのは保有中の信託報酬。投資信託は長期間投資することで利益を狙いますので、長く投資を続けるほど、少しの差が大きな差となります。同じような国・資産に投資する商品が複数あったら、少しでも信託報酬が安い投資信託を選びましょう。
また、一般に信託報酬が安いのはインデックス型やバランス型の投資信託です。「アクティブ型は利益を追求」などというと、いかにも儲かりそうなのですが、そのために専門家が投資先を分析したり、機動的に投資をしたりするため、コストが高くなってしまうのです。はじめの1本を選ぶのであれば、インデックス型・バランス型のほうがいいでしょう。
もっとも、アクティブ型の投資信託のなかには、インデックス型・バランス型を大きく上回る運用成果をあげているものもあります。ただ、それはあくまでこれまでの運用成果であり、これからの運用成果を保証するものではありません。ですから、まずはインデックス型・バランス型できちんと核となる資産を築いてから、さらにお金を増やすためにアクティブ型を使う、という流れがおすすめです。
②市場全体に投資できる投資信託を選ぶ
たとえば、米国の株式市場の代表的な指標に「S&P500」があります。S&P500は、ニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場する銘柄から選ばれた500銘柄の時価総額をもとに計算される指数です。S&P500だけで、米国の株式市場の時価総額の約80%をカバーしていますから、市場の大部分と思われるかもしれません。しかし、「CRSP USトータルマーケットインデックス」(以下CRSP)ならばもっと幅広い投資が可能。CRSPは米国株式市場の大型株から小型株までほぼすべて、約4000社の時価総額をカバーしています。同じ市場(ここでは、米国株式市場)に投資する投資信託ならば、S&P500よりもCRSPのほうが市場全体に投資できます。
S&P500・CRSPに連動をめざす投資信託には、たとえば次のようなものがあります。なお、以下データはすべて2022年3月10日時点のものです。またトータルリターンは、設定1年未満の商品は運用期間が短いため省略しています。
【S&P500】
●eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・純資産総額:10025.47億円
・基準価額:17,330円
・信託報酬(税込):年0.0968%
・トータルリターン:19.46%(3年・年率)、76.84%(設定来)
●SBI・V・S&P500インデックスファンド
・純資産総額:4725.42億円
・基準価額:15,895円
・信託報酬(税込):年0.0938%
・トータルリターン:25.71%(1年)、62.12%(設定来)
【CRSP】
●楽天・全米株式インデックス・ファンド
・純資産総額:4806.08億円
・基準価額:18,029 円
・信託報酬(税込):年0.162%
・トータルリターン:18.60%(3年・年率)、84.20%(設定来)
●SBI・V・全米株式インデックスファンド
・純資産総額:598.54億円
・基準価額:10,211円
・信託報酬(税込):年0.0938%
③基準価額・純資産総額が右肩上がりで増えている投資信託を選ぶ
投資信託の値段を表すのが基準価額、投資信託の資産の合計額(時価総額)を表すのが純資産総額です。値動きを示すチャートを見て、どちらも右肩上がりで増えている商品を選びましょう。インデックス型・バランス型なら、純資産総額は大きいほうがいいでしょう。運用成績がよければ利益が出て、利益が出れば純資産総額が増えるからです。投資信託としても、より効率のよい投資をすることにつながります。
反対に、純資産総額が減っている、少ないままの投資信託は要注意。途中で運用が終了する「繰上償還」が行われる可能性があるからです。繰上償還になると、投資信託の資産が換金されて戻ってきます。利益がある状態ならまだいいのですが、損失を抱えている場合にはその損失が確定してしまうことになります。
以上を踏まえて、現時点でおすすめできる投資信託を3本、紹介します。