株や投資信託はNISAで買うべき? NISAを使った場合と使わない場合の違いを解説

株や投資信託はNISAで買うべき? NISAを使った場合と使わない場合の違いを解説
マネーケア

NISAを使った場合と使わない場合でどう変わる?(課税口座との違いを解説)

制度の変更もあり、ますますおトクに利用できるNISAですね。
NISAを利用する場合と、利用しない場合とでは、どのような点が異なるのでしょうか。

NISAのメリット1:いくら値上がりしても値上がり益が非課税

NISAは1年間で投資できる金額に上限がありますが、非課税になる値上がり益に上限はありません。株式や投資信託がいくら値上がりしても、値上がり益は全額非課税になります。

非課税の場合、具体的にどのくらいの差があるか見てみましょう。

つみたてNISAと課税口座の利益の比較(20年間運用)

つみたてNISAと課税口座の利益の比較(20年間運用)

積立金額が少ないより多い方が、年利が小さいより大きい方が差額は大きくなります。
いずれにしても、つみたてNISAの利益は、課税口座の利益より、税金の約20%分多くなり、おトクなことがわかります。

NISAのメリット2:配当金や分配金も非課税

非課税のメリットは、売却の際の値上がり益だけではありません。売却せずに保有している間も、株式投資なら配当金、投資信託なら分配金を受け取れる場合がありますが、それらに対しても非課税です。
値上がり益同様に、NISAのほうが税金の約20%分おトクです。

NISAのメリット3:確定申告は不要

利益を出して収入があれば、通常は所得税の対象ですから確定申告が必要です。
しかし、NISAの利益は非課税ですから、確定申告は不要です。

NISAのデメリット1:購入商品が限られている

いいことばかりに思えるNISAですが、注意点もあります。NISAでは購入できる商品が限られていることもそのひとつ。つみたてNISAで購入できる投資信託は金融庁の基準を満たしていることが条件なので、どうしても商品数が少ないのです。
ただし、その分長期積立分散投資に適した商品を選びやすいので、必ずしもデメリットとばかりは言えません。

NISAのデメリット2:損益通算ができない
投資用口座を複数持っていると、全体として利益を出しても、あるひとつの口座では損失が出る、ということもあります。その場合、通常であれば利益と損失を相殺する損益通算ができ、全体の利益に対して税金がかかります。

しかし、NISAは他の口座と損益通算ができません。NISAで損失が出て、NISA以外の課税口座で相殺できそうな利益が出た場合でも、課税口座の利益に対して税金がかかります。
NISA以外の課税口座でも投資をするなら、損益通算ができないことを踏まえた投資先選びをすることがポイントです。

NISAのデメリット3:繰越控除ができない

株式や投資信託は、値上がりしてから売ることで利益を得ますが、値下がりをしてしまった時にも売却することがあります。大きな損失を避けるため、ある程度値下がりしたら売って損切するのです。
このような売却による損失は3年間繰り越して、その間の利益と相殺できます。これが、繰越控除という制度です。

しかしNISAでは、そもそも利益に対して税金がかかりませんから、繰越控除もできません。NISAは投資初心者でも始めやすいように、できるだけシンプルでわかりやすい仕組みになっています。
投資はNISAだけ、という場合には繰越控除ができないことはあまり気にならないでしょう。

NISAのデメリット4:非課税期間終了時に値下がりしていると元本切り下げに

NISA口座で購入した金融商品が、購入時よりも値下がりしたタイミングで非課税期間を終了し課税口座へ移行すると、元本は移行時の価格として扱われる、元本切り下げがあります。その後値上がりして価格を戻せる見込みがあっても、切り下げで損失が確定してしまいます。
値動きのタイミングによっては損をしてしまいますので、非課税期間の終了が近づいてきたら値動きには注意をしておく必要があります。

NISAは使うべきなのか

このように、NISAにはデメリットはあるものの、非課税効果は大きいので優先して利用することをおススメします。
特に投資初心者で、投資口座はひとつだけで管理していこうと考えているなら、デメリットを補うだけのメリットがあるでしょう。

ある程度投資経験があり、値動きなどを見て売買するスタイルや株式投資したいなら、一般NISAがおススメです。これから伸びそうな業界や企業の株式に投資をして、値上がりしたところで売却すれば、非課税のメリットをしっかり生かせます。
ただし年間の投資上限額は、売った金額に関わらず定められています。また、上限額まで使い切らなくても、翌年には繰り越せないので、しっかり活用できるよう計画的に投資をしていきたいですね。

一方、手間をかけずにほったらかし投資をしたいなら、つみたてNISAがおススメです。
定期的に投資をする金額を決めておけば、あとは自動的につみたて投資が続けられます。しかも、つみたてNISAで購入できる投資信託は、厳しい金融庁の基準をクリアしているので、どれを選んでも比較的安心して投資できます。

大変おトクなNISA、まずは始めてみてはいかがでしょうか。

タケイ 啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。 36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務...

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