【Z世代のマネー学】自分に合ったポートフォリオとは?自分のリスク許容度はどれくらい?
GPIFだって分散投資している
投資のプロだから、次に値上がりする投資先を瞬時に察知して、一気に大儲けできる…などということはありません。もちろん、「これが絶対値上がりする」という投資先がわかるならば、そこに集中投資をしたほうが儲かります。しかし、そんな予想は当たっても1、2回程度。ずっと当て続けることはできません。集中投資をしていると、いつか予想が外れて大損してしまいます。ですから、プロであってもポートフォリオを組み、分散投資をすることで、そうした大損を防ぎつつ、利益を得ているのです。
日本には、世界最大の機関投資家がいます。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)です。GPIFは、国民年金や厚生年金の積立金を管理・運用して増やし、年金の財源の一部にあてています。
このGPIFの運用先は、次のようになっています。
GPIFの運用先
GPIF 2020年度の運用状況より
基本的に、国内株式・国内債券・外国株式・外国債券の4つの資産に25%ずつ投資する分散投資を行なっています。直近では、外国株式と国内債券の割合が多少大きくなっています。GPIFが運用しているのは年金ですから、大きく減らしてしまっては大変です。そのため、このような分散投資を行なっているのです。
その結果、GPIFの資産は次のように増えています。
GPIFの運用状況
GPIF 2020年度の運用状況より
2001年からの運用の結果、収益率は+3.09%、収益額は+74.9兆円となっています。確かに、短期的には資産を減らしているときもあります。しかし、全体で見ると大きく資産を増やすことに成功しているのです。
自分に合ったポートフォリオで分散投資しよう
ミレニアル世代・Z世代と呼ばれるみなさんがこれから投資をするときにも、ぜひポートフォリオを組んで、分散投資をしてください。
とはいえ「自分に合ったポートフォリオがわからない」という場合に、ぜひ考えていただきたいのが、前回もお話しした「リスク許容度」の考え方です。リスク許容度とは、資産運用で損をした場合、どのくらいまでなら耐えられるかという度合いを表したものです。
リスク許容度に影響を与える要素
たとえば、年齢が低いほうが、もし失敗したとしてもやり直しがききます。歳をとってから投資をして大損した…となっては、取り返しがつかないでしょう。したがって、年齢が低いほうがリスクをとってリターンを狙っても大丈夫(リスク許容度が高い)という具合に考えます。
同様に、運用期間が長い、他の収入が多い、資産が多い…というほうが、リスク許容度は高いといえます。
また、いくらそうしたリスク許容度が高いとしても、自分がリスクをとりたいか、とっても大丈夫かというリスク選好度が低い場合は、あまりリスクをとった運用をしないほうがいいかもしれません。いろいろな側面から総合的に検討して、どのくらいのリスクをとるべきか、自分の運用スタイルを考えるといいでしょう。
最後に、自分の運用スタイルを知るのに役立つリスク許容度診断のフローチャートを用意したので、ぜひ診断してみてください。Yes・Noで答えるだけで、あなたに合った投資が積極運用・バランス運用・安定運用のどれなのかがわかるようになっています。
リスク許容度診断
著書「1日5分で、お金持ち」より
運用スタイルがわかれば、おのずと投資商品選びや資産配分が決まり、自分のポートフォリオもできてくるでしょう。