Z世代・ミレニアル世代のお金事情を分析!SNSが資産運用のきっかけ?
20~30代男女が選ぶ資産運用方法
ここからは、実際に20~30代男女が選んだ資産運用方法について見ていきます。同調査では、「株式投資」「投資信託」「積み立て(銀行・郵便局)」「積み立て(ネット・アプリ)」「FX」「仮想通貨」「不動産」「その他」の8つの方法から選択する形式が用いられました。各世代や性別ではどのいった違いがあったのでしょうか?
資産運用の方法
図:TesTee Lab.「貯金・資産運用に関する調査【2020年版】」より引用
男性は「株式投資」が第1位
20代、30代男性が選ぶ資産運用方法は以下の通りの結果になりました。
1位:株式投資
2位:投資信託
3位:積み立て(銀行・郵便局)
20代では、3位に同率で仮想通貨が含まれた一方、30代ではFXが仮想通貨を上回っています。この点では、仮想通貨が登場した時期が関係していると言えるでしょう。
また、現在資産運用をしていない人に対して今後の意欲を調査した結果では、約3割が「資産運用をしたいと思うが方法が分からない」、約4割が「資産運用したいが費用がない」と回答しています。このことから、全体の約7割は資産運用に前向きであることが分かりました。
女性には「投資信託」が人気
一方で、20代、30代女性が選んだ資産運用方法は以下の通りになりました。
1位:投資信託
2位:株式投資
3位:積み立て(銀行・郵便局)
男性との結果と比べて、株式投資と投資信託が入れ替わった結果になっています。前述の調査でも貯金に対する意識が男性よりも高い傾向にある女性は、資産運用についてもリスクヘッジの意識が高いことが伺えますね。
現在資産運用していない人に対しての今後の意欲調査では、約3割が「資産運用したいと思うが方法が分からない」という点で男性と共通しました。一方で「資産運用したいが費用がない」と回答した人は約3割にとどまり、男性より1割少ないものの資産運用に対しては約6割が前向きであることが分かっています。
主な資産運用の種類
では、実際に資産運用をしたいと考えたときの選択肢には、何があるのでしょうか?同調査の8つの資産運用方法を参考に、それぞれのメリットを簡単にチェックしていきましょう。
値上がり益や配当金も|株式投資
男性1位にあげられた「株式投資」のメリットは、購入時よりも値上がりした場合の「値上がり益」があること。また、株を保有する会社に利益が出た場合の「配当金」や自社製品などの優待券が提供される「株主優待」も楽しみのひとつと言われています。
1万円程度から購入可能|投資信託
株式投資にはある程度の資金が必要になりますが、「投資信託」は1万円程度からスタートできることも魅力です。また、さまざまな資産に分散して投資しているため、リスクが軽減されていることもメリットのひとつでしょう。
普通預金と比べて高金利|銀行や郵便局の積み立て
金融機関の「定期預金」などの積み立ては、普通預金と比べて金利が高く、預けた金額が必ず返ってくる元本割れの心配がないことがメリットです。また、預入や解約の手数料がかからないところもポイントになるでしょう。
手軽さが魅力に|アプリやネットサービスの積み立て
大手銀行をはじめとした金融機関が提供しているアプリなどを利用すれば、スマホで積み立てを完結することも可能です。ネットサービスの利用は、前項の定期預金のメリットに加えて、手軽さも魅力と言えるでしょう。
ハイリターンに期待も|FX
投資元本よりも大きな金額で外貨取引が可能な「FX」は、大きなリターンを得られる可能性が高い資産運用のひとつ。24時間取引可能な場合も多く、夜間などいつでも取引が行えることもメリットです。
送金手数料の安さが魅力|仮想通貨
銀行などの仲介組織が存在しない「仮想通貨」は、手数料が安いことがメリットです。また、個人間での送金がしやすく、中でも海外に送金する場合は大きなメリットがあると言われています。
安定収入と節税対策も|不動産
安定した収入が見込める「不動産」は、赤字が出た場合でもほかの所得などと損益通算できるため、所得税や住民税の節税が可能な点がメリットです。また、土地の価格が上がった場合は、不動産を売ることで売却益を得られる可能性もあります。
その他
その他の資産運用方法には、「つみたてNISA」や「iDeCo」などが挙げられます。また、日常の買い物などで貯まったポイントを利用した資産運用方法もあります。ポイント利用は、手元にお金がなくてもポイントだけで資産運用が始められるため、お金を減らすのが怖いと考える初心者にもおすすめです。
紹介したように、資産運用には魅力的なメリットがたくさんありますが、すべてにおいてデメリットやリスクがあることを忘れないようにしましょう。いずれにせよ、資産運用をスタートするときには、メリットとデメリットをしっかりと調べて、納得したうえで始めることをおすすめします。
Z世代・ミレニアム世代は資産運用に前向き
一昔前と比べて格段に情報が得やすくなっている時代背景もあり、デジタルに慣れ親しんでいる20~30代のZ世代・ミレニアム世代は、資産運用に前向きな姿勢であることが分かりました。
将来への不安はあるものの、資産運用することでリスクヘッジをしていこうと考える人は若年層にも増えてきています。初めの一歩をスタートする資産運用の土壌は充実しているため、これから始める人は自分に合った資産運用方法を正しく見極めることが大切です。
文:mihoco
監修者:ファイナンシャルプランナー歴3年 千見寺 拓実