転職時の健康保険の手続きで大失敗!その落とし穴とは

転職時の健康保険の手続きで大失敗!その落とし穴とは
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被用者保険の落とし穴!健康保険証がすぐに届かない

家族に被保険者保険の扶養手続きをしてもらったAさんは、当月中には保険証が届くだろうと簡単に考えていました。ところが、家族が会社から受け取ったのは保険証ではなく「健康保険被保険者資格証明書」なるもの。Aさんの家族が手続きを行ったのですが、保険証発行までに時間を有したため、会社側が保険証が届くまでの代わりの証明書を発行してくれたのです。

会社発行の証明書は保険証の代わりにならない

会社から、「この資格証明書があれば差額を返金してもらえるはず」と言われたため、病院に持参するようにと家族に言われたAさん。インフルエンザを治療した病院へ資格証明書を持っていくと、受付で対応したスタッフが困惑気味です。「証明書を調べたいので少しお時間をいただけますか」と言われ、待合室で待つことになりました。

すぐに差額を返金してもらえるだろうと待っていたAさんに、予想外の展開が起こります。病院スタッフが告げたのは、「全国健康保険協会が発行した資格証明書でなければ、健康保険証の代わりとして使用できない」という説明です。

健康保険証や資格証明書は政府の管轄(かんかつ)

健康保険証は、市町村や全国健康保険協会などの政府が中心に運営する組合が発行しており、資格証明書も発行者が保険証と同じでなければ意味を成しません。Aさんが持参した証明書は全国健康保険協会ではなく会社が発行したものだったため、「正確性に欠けるため差額返金できません」と病院側から告げられます。

病院側が全国健康保険協会に確認したところ、資格証明書の発行事例が少ない会社は知識がなく、全国健康保険協会の許可なしに作成してしまう場合があるそうで、Aさんの親族の会社は、残念ながらそれに該当した様子。

手続きが簡単だからと、家族の扶養になることを選んだAさん。結局、健康保険証は診察を受けた当月中には取得できず、病院からの返金はすぐに受け取れませんでした。その後、保険証ができてから自分で健康保険療養費の支給を全国健康保険協会に申請し、差額の返金という形になったそうですが、手間も時間もかかり散々だったと話してくれました。

健康保険は宙ぶらりんNG!退職前にきちんと準備をしておこう

会社を辞めた次の日から新しい勤務先で働けて、健康保険の手続きを速やかに行ってもらえるなら、自分で手続きをしなくても良いでしょう。しかし、転職活動などで保険に空白の期間ができてしまうのなら、手続きは必ず自分で行う必要があります。

いつ病気にかかるかは誰にも分かりません。一時的とはいえ、Aさんのような高額出費をしなくていいように、退職前から準備をして、きちんと健康保険の手続きを行いましょう。

文:amatsushi
監修者:ファイナンシャルプランナー歴3年 千見寺 拓実

amatsuhi

いろいろな事に興味があるので、異業種に転職することが多い1児の母です。

プロフィール

監修者: 千見寺 拓実

株式会社インヴァランス 1994年生まれ。静岡大学卒業。2017年に株式会社インヴァランスに入社。 2級ファイナンシャルプランニング技能士

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