不動産価格何と連動する? 不動産価格の今後の動き

マネーケア

内閣府は7月30日に、戦後最長の「いざなみ景気」の記録を更新できなかった旨の発表をしました。いざなみ景気は、2002年2月から2008年2月までの73カ月間続いた好景気のことです。この記録を抜くのではと、期待が寄せられていました。景気についても、コロナウイルスの感染拡大とともに不透明さを増してきました。不動産投資をしている人、これから不動産投資を始めたい人にとっては、不動産価格の今後の動きが気になるところです。
景気や金利、経済動向などから不動産価格の動きを考えてみましょう。

金利と不動産の関係

不動産は、金利の影響を強く受けます。不動産は、土地にしても建物にしても高額です。ですから、全部の資金を自前で準備することは少なく、借入でまかなわれることがほとんどです。REIT投資法人の資金調達は、借入の上限を60%から70%に設定しているところが多く、金利の上昇は借入金利の負担が増加して経営に影響を及ぼします。また銀行が融資してくれなければ、物件を買うことができません。「銀行がお金を貸してくれるから不動産相場が上がる」ともいえるでしょう。
ですから、金利変動や金融政策は不動産にとって、重要な要因になります

たとえば、不動産市場が上昇し始めたのは、2013年の日銀が異次元緩和政策を打ち出してからです。これ以降金利が大きく低下してきて、住宅ローンの金利も下がりました。
同じ物件を購入しても金利が低ければ総支払額が減ります。そこで、賃貸物件の家賃を支払うより、住宅ローンを返済していく方が魅力的に感じられ、超低金利を利用して住宅購入に踏み切った人も多いはずです。

経済情勢と不動産の関係

また、不動産は経済情勢とも大きく関係してきます。ご存知のようにオリンピック開催が決まった2013年以降、外国人観光客が増えることを見込んで、都内にホテルや公共施設を建てる工事が増加しました。この影響で建設費のコストも増え、家賃や不動産の販売価格にも影響が出てきました

地方の北海道、京都、福岡では、インバウンドの需要も目立ちました。
国土交通省が発表した2020年の全国公示地価では、全国の全用途平均は5年連続の上昇となったほか、地方圏の上昇地点は、全体の約4割を占めました。

不動産価格指数(住宅)


図:国土交通省「不動産価格指数(令和2年4月)」より引用

年初はインバウンドで賑わっていたものの、新型コロナウイルスの影響がさまざまな形で出てきました。入国ができないため、海外からの旅行者の姿はありません。さらに感染者の増加を受け、国はテレワークを推進しており、オフィスの需要や住宅選びにも今までと違った観点から選ばれる可能性があります。

テレワークの導入によって、通勤に便利な「駅からの距離」が重要視されなくなり、デスクワークスペースが取れる広さや物件の設備に重きを置くようになるでしょう。通勤に時間を割く必要がなくなれば、自然環境がよい所や趣味が充実できることを優先するなど、生活様式にも変化が出てくると予想されます。

利便性のよい東京23区内のマンションは、値上がりが続き価格が上がってしまい、買い控えが起きています。

首都圏マンション市場動向


図:不動産経済研究所「首都圏マンション市場動向(2019年度)」より筆者作成

新型コロナウイルスの感染が長期化すれば株価が下がり、経済が停滞することが予想されます。そうなれば、都心部でのマンション需要は減少し、価格下落が出てくるかもしれません。また、購入した人でも景気後退が長引けば、リストラで手放す人も出てくるでしょう。
しかし、不動産価格は毎日頻繁に価格が公開されているわけではないので、経済変動が価格に反映されるまでには、時間がかかります。

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池田 幸代

株式会社ブリエ 代表取締役 証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不...

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