一流バスケ選手、NBAとBリーグで最高年棒と実際の手取りはどう違う?
あまりスポーツに詳しくない人でも、海外で日本人が活躍しているニュースを聞くとうれしくなり、応援したくなりますね。先日、北米で展開する男子プロバスケットボールリーグであるNBA(National Basketball Association)の選手のブロマイド1枚が20万円以上するものもあると聞き、驚いてしまいました。
今回は世界のスポーツでも特に人気のNBAの実情に迫ってみましょう。
NBAとBリーグの最高年棒の違い
NBAのプロバスケットボール選手の年棒は、各チームの年俸限度=サラリーキャップを計算したうえで決まります。サラリーキャップは、リーグ全体の前シーズンの収益から計算され、シーズンごとに変わるものです。
これは、資金力のあるチームだけが有利にならないようにする、という側面もあります。
2018-2019年の年棒ランキングで1位だったのは、ステフィン・カリー選手で年棒3746万ドル(約39億7,076万円)。2年連続MVPを受賞するなど人気だけではなく、実力もトップクラスです。
ちなみに年棒とスポンサー収入を合わせた年収は、7690万ドル(約80億7,450万円)だそうです。
NBAの2018-2019年シーズンの平均年棒は742万ドル(約7億8,652万円)です。所属チームから支払われる年棒には、リーグ全体の放映権、スポンサー契約、チケットの売り上げ、グッズの売り上げなどがあります。放映権については、ウォルトディズニー社、タイム・ワーナー社と長期契約を結んでいることもあり、選手に高額な年棒を支払えるのでしょう。(1ドル=106円で計算)
一方、日本のプロバスケットボールのトップリーグ、Bリーグの場合はどうでしょう。
Bリーグ選手の平均的な年棒は、600~1,000万円で、もらっている選手でも5,000~6,000万円くらいだと推測されます。
正確な年棒は公表されていませんが、2020年のオリンピックまでには、1億円プレイヤーを出すという目標を掲げているそうです。
そのかいあってか、2019年6月3日にBリーグ日本人初の1億円プレイヤー富樫勇樹選手が誕生したという発表がありました。
八村塁選手と富樫勇樹選手の違い
八村塁選手は、身長204センチ、体重108キロと体格がいい選手です。高校まで日本で過ごし、インターハイでは3連覇を達成しています。卒業後はアメリカのゴンザガ大に進学してます。
意外にも中学に入りどの部にも所属していなかったので、友人からバスケットボールをすすめられ、始めたというから驚きです。2019年NBAドラフト一巡目9位で指名を受け、最大年棒は4億9,000万円。NBA選手はバスケットボールの人気と約450人と圧倒的な狭き門で、年棒が高額です。
一方、富樫勇樹選手は小・中学生の頃から全国レベルの大会に出場しており、中学卒業後バスケットの名門モントロス・クリスチャン高校に進学します。身長167センチ、体重65キロと小柄です。在米中に自分の思うような大学進学ができなかったため、日本でのプレーを選んだそうです。2019年6月の発表によると、Bリーグで1億円プレイヤーとなりました。
日米の税金の違い
日本では、収入の中から所得税、住民税を支払います。所得税においては、所得が多ければ多いほど税率が高くなる累進税率になっており、4,000万円を超える所得の所得税は45%の税率です。また住民税は10%と合わせて55%の税金を収めることになります。
一方アメリカでは、連邦個人所得税、州と地方自治体への所得税があります。
Federal taxesと呼ばれる連邦個人所得税の税率は、最高税率は37%※ですが、州や地方自治体に納める所得税や固定資産税、消費税については、その地域でバラバラです。
また、アメリカには住民税はありません。
しかしながら、連邦所得税以外の州所得税、市所得税の高い地域に住んでいると、預託、公的年金制度の保険料を差し引くと、高額な年棒の手取り額は約半分になるそうです。
アメリカの公的年金は、働く人を対象にしているので、報酬に応じた保険料を納め、納めた保険料に応じた年金を受け取る仕組みになっています。どこの世界でも税金と保険料はついて回るのですね。
※参照:日本貿易振興機構JETRO https://www.jetro.go.jp/world/n_america/us/invest_04.html
まとめ
スポーツの世界で活躍するには、並外れた才能と日々の練習に耐える精神力が必要です。しかし、そうした才能を持ち合わせていても数々の試合に出場したり、開催したりするにはお金が必要です。アメリカのNBAにはそうした資金的な基盤が整っています。
多くの人に夢と希望を与え、たくさん稼いでたくさん税金を支払う。NBA選手だからこそできる社会貢献の一つではないでしょうか。