女性特有の病気が心配? お金のことは早めの備えを
医療費以外にかかるお金
がんなどの病気で忘れてはいけないものとして、医療費以外にかかるお金があります。
身の回りの物でいうとタオルや病衣のレンタル代、テレビ利用料、洗濯サービスなどがあります。
交通費も通院にかかる電車代やバス代は医療費控除に含まれますが、自家用車のガソリン代や駐車場代は医療費控除の対象外です。家族がお見舞いに行く交通費も、回数が増えるとバカになりません。
特に気をつけておきたいのが、差額ベッド代です。医師や看護師から説明が必ずありますが、自分から選んで個室や2人部屋にした場合には、医療費控除の対象にはならず、高額療養費の対象にもなりません。差額ベッドの毎日数千円の負担も、入院日数が長くなるとかなりの額になります。
もし、抗がん剤治療を行うのなら髪の毛が脱毛してしまうこともあり、ウイッグ代なども見積もっておく必要があるでしょう。
治療費用の備えにできること
がんの入院も長期になれば高額な治療費がかかるおそれがあり、がん保険に加入していて助かったという声も聞かれます。また、いったん治っても再発する可能性もあります。
がんの治療は、入院よりも通院の期間が長くかかるようになりました。退院しても仕事を休んで、自宅療養しながら通院すれば、収入の面でも不安を生じるかもしれません。
女性特有の病気に手厚い医療保険であれば、どうしても保険料は高くなります。しかし、将来入院が必要になるかどうかはわかりません。その場合には、健康である期間に、貯蓄で備えることもできます。
さらに会社にお勤めなら、傷病手当金という健康保険の制度がありますし、健康保険組合の付加給付や独自の給付があるところもあります。忘れずに調べておきましょう。
まとめ
保険会社や共済の医療保険には、入院やがん、女性特有の病気、先進医療特約など多くの種類があり、入っておくと安心と思ってしまいがちです。しかし、保険の加入を検討する前に、国の健康保険の制度や会社の制度を確認してからでも遅くはありません。
その上で足りない部分を貯蓄で補うのか、民間の保険に加入するのかを検討すればいいと思います。
<参考にしたサイト>
e-Stat「医療給付実態調査」
厚生労働省「平成29年(2017)患者調査の概況:3退院患者の平均在院日数等」
国立がん研究センターがん情報サービス「最新がん統計」、「がん登録・統計」