【Z世代のマネー学】金融商品の特徴と、リスク、リターンを教えて!
ミレニアル世代・Z世代の最初の投資先:おすすめは投資信託
「それならどこに投資すればいいの?」と思われる方もいるでしょう。最初の投資先としておすすめなのは、投資信託です。
投資信託は、多くの投資家から集めたお金をファンドマネージャーと呼ばれるプロがまとめて運用する金融商品です。
投資信託のイメージ
筆者作成
各投資信託の投資先は、株式・債券・不動産などさまざま。どこに投資するかは、投資信託の種類やファンドマネージャーの考えなどによって異なります。運用で利益がでれば利益の一部が受け取れますが、損失が出れば元本割れする可能性もあります。
投資信託のメリットは、1つ買うだけでたくさんの金融商品を買ったのと同じような効果が得られることです。これを分散投資といいます。1本の投資信託は数十、ときには数百以上の商品を組み入れています。そうすることで、仮にどれかが値下がりしても、他のどれかの値上がりがカバーする効果も期待できます。
分散投資は、商品の値動きと上手く付き合うための重要な考え方です。この分散投資を長期間、一定額ずつ行う積立投資をすることで、資産は堅実に増やせると考えます。「長期・積立・分散」は投資の王道のキーワード。その王道の投資が簡単にできるのが、投資信託のメリットです。
投資信託は、金融機関によっては100円から購入できます。「投資にはお金がたくさん必要」「お金が減るのが怖い」と思っている方も、100円でいいと知ったら始めやすいでしょう。もっとも、100円だけ投資してもなかなか増えていきませんので、慣れてきたら投資金額を増やしていけばいいでしょう。
投資信託にはさまざまな種類がある
投資信託は6000本以上あるといわれています。これらは「何に」「どこに」投資しているかで分類するとわかりやすくなります。
「何に」は、株式・債券・不動産・通貨・商品などに投資する投資信託があります。
たとえば、株式なら「株式型」、債券なら「債券型」、不動産なら「不動産投資信託」(REIT・リート)という具合です。また、株式と債券など、複数の金融商品に投資するものは「バランス型」と呼ばれます。
「どこに」は、投資する地域の違いです。
日本国内だけなら「国内型」、海外に投資しているなら「外国型」です。さらに、政治や経済などが比較的安定している米国や欧州などなら「先進国型」、成長の期待の高いアジアやアフリカなどの国々なら「新興国型」などと分類されます。
金融機関のサイトや投資信託のパンフレットなどには、これらを組み合わせて「国内株式型」「先進国債券型」などと記載されています。これを見れば、おおよその投資対象がわかります。
また、投資信託の運用方法でも分類できます。
投資信託の運用方法には、インデックス型とアクティブ型があります。
インデックス型とアクティブ型
筆者作成
インデックス型は、目標とする指標(ベンチマーク)に連動することを目指す投資信託です。
たとえば、国内の株式の指標には、TOPIX(東証株価指数)や日経平均株価がよく用いられます。「TOPIXに連動するインデックス型」の商品は、TOPIXと同じような値動きをします。TOPIXは2000銘柄以上の株価をもとに計算されているので、2000銘柄以上に投資したのと同じような効果が得られるというわけです。
一方、アクティブ型は、指標を上回る利益を目指す投資信託です。
たとえば、TOPIXをベンチマークにしているなら、TOPIX以上に値上がりすることを目指します。
こういうと、アクティブ型の方が稼げそうな気がしますが、プロの力を持ってしても、指標に勝つのはなかなか大変なのが実情です。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス「SPIVA日本スコアカード」(2020年中期版)のデータによると、10年間投資をした結果、指標に勝てなかったアクティブ型投資信託の割合は、日本株で68.2%、米国株で83.3%、新興国株にいたっては96.9%にものぼります。また、インデックス型よりアクティブ型の方が運用に手間がかかるため、コストも高い傾向があります。
もちろん、アクティブ型の中には、インデックス型以上の利益を上げる商品もあります。しかし、初めてならばインデックス型がおすすめです。