投資を始めたきっかけは?していない理由と属性の関係性
普通預金にお金を預けていても、ほとんど増えない今の世の中。そんなときだからこそ、資産形成として投資に興味を持つ人が増加中です。そこで今回は、投資している人がどんな目的で始めたのか、また商品によって始めたきっかけは違うのか、投資をしていない人の背景には何があるのかなど、アンケート調査結果をもとに分析していきます。
このアンケート調査は、株式会社インヴァランスが2020年6月5日から6月18日にかけて、プラットフォームサービス『モニプラ』にて、20代から60代のmoneliyファンユーザー4717名を対象に実施したものです。
目的別や商品別で投資を始めたきっかけって違うの?
そもそも投資を始めたきっかけとは?
投資を始めたきっかけ
図:筆者作成
投資を始めたきっかけの多くが「老後に不安を感じて」です。預貯金のままでは、老後の資金まで貯蓄できないと考える人が多いのかもしれませんね。次いで「資金に余裕ができて」です。投資はリスクのある商品なので、余剰資金でするものと考えている人が多いのでしょう。
目的別に見る投資のきっかけ
投資の目的から見る始めたきっかけ
図:筆者作成
次に、投資の目的ときっかけの関わりについて見ていきます。アンケートの回答には、マイホーム、結婚資金、生活のゆとり、教育費、旅行や趣味、老後といった6つの目的を設けました。それぞれにきっかけとなった出来事が、どういった割合となるのかグラフで見ることができます。
全体を通じて分かることは、目的によって投資を始めたきっかけが違うことです。マイホーム購入を目的としている人は、「老後に不安を感じて」投資を始めていますが、結婚資金のために投資を始めた人は「資金に余裕ができたから」となっています。
一方、子どもの教育費のために投資を始める人は、「妊娠や出産」がきっかけであることが多いです。逆をいえば、妊娠や出産がなければ子どもの教育費のためという目的は発生しなかったとも読めます。
これと同じように目的ときっかけが似ているのは、老後の生活費です。老後の生活費のために投資を始めた人は、老後に不安を感じる人が最も多く43%となっています。
「今の生活にゆとりを持つため」「旅行や趣味にかける費用のため」というのは、必要最低限の生活以上の「あれば良いな」ということになるので、きっかけも資金に余裕ができてという回答が多いのが特徴です。
商品別から見る投資のきっかけ
ここでは投資している商品によって、投資を始めたきっかけが違うのか、グラフの数字を見ながら考えていきましょう。
商品別から見る投資を始めたきっかけ
図:筆者作成
グラフの左にあるのが、投資の商品。どのグラフでも多く占めているのが、オレンジ色の理由「老後に不安を感じて」投資を始めている人です。ただ、株式投資に関しては濃いピンク色の「資金に余裕ができて」始めたという人が31%で、「老後に不安を感じて」の27%より多い結果となっています。
金融商品の中で比べると、営業を受けて始めるのは債券や投資信託、NISAが多い傾向。株式投資は、家族や友人など人からすすめられて始めた人が17%。FXに関しては27%と、金融商品でも身近な人がすすめる商品は違うことがわかります。
一方、不動産投資やiDeCoを始めた人の理由は、ほかの商品に比べて「老後に不安を感じて」始めた人が40%以上と多いのが特徴です。またiDeCoに関しては、就職を機に始めた人が目立つのも特徴といえるでしょう。
投資をしていない人の最大の理由は金銭的余裕!
ここからは投資をしていない理由や、どれくらいお金に余裕があれば投資をするのかについて考えていきます。
どうして投資をしていないの?
投資にチャレンジできない理由
図:筆者作成
投資をしていない理由で最も多いのは、「金銭的余裕がないから」の45%、第2位は「どんな商品が良いのか分からないから」の23%、第3位は「リスクが怖いから」の22%となっています。
1位から3位の内容をトータルで考えると、金銭的余裕があってどういった商品がおすすめなのか教えてくれれば投資をしても良いと考える人が68%となるのではないでしょうか。そう考えると、投資に積極的な人は、潜在的にはたくさんいるといえるかもしれませんね。
どれくらいお金があれば投資を考える?
一般的に貯金は、1カ月に必要な生活費の半年分から1年分必要といわれています。そのため、それ以上の金額が手元にないと金銭的に余裕があるとはいえないでしょう。
1カ月に必要な生活費の金額は、独身なのか実家暮らしなのか、1人暮らしなのかなど、人によってそれぞれ違うので、貯金と投資について考えたい人はこういったところを計算してみると良いかもしれませんね。
また、どういった商品に投資するのかも考えなければいけません。低リスクのものであれば、投資資金の目減りをさほど気にしなくても良いかもしれませんが、高リスクの商品に投資するのであれば、投資資金がマイナスになることも考えられるからです。