固定金利、変動金利とは? 借り入れと資産運用で異なるメリット・デメリット

マネーケア

運用金利の代表:貯金金利の過去データからみる

今度はお金を増やす目的の「運用」で、金利を考えてみましょう。
金利上の「損・得」で考えるのは、先ほどの住宅ローンでの選択と真逆になります。
なるべく高い金利を選択することが有利になりますから、現在の金利よりも「将来の金利が高くなる」と予測できるのであれば、「変動」を選ぶべきですし、「将来は金利が下がる」と予測できるのであれば、現在の高い金利で「固定」される方を選択するべきとなります。

次の図は、郵便貯金の金利変動グラフです。約30年分のデータになりますが、こちらも住宅ローンの金利変動同様に変動します。
変動しますが、現在読者の皆さんが「銀行預金(貯金を含む)ではお金は増えない」と感じているように、普通貯金では1999年9月以来、定額貯金3年以上でも2001年4月以来、金利0.1%を下回っており、「金利で増やす」というのは現実的ではなくなっています。

郵便貯金の金利推移


日本銀行HP郵便貯金金利(%)1994年10月17日以降月末営業日を含む週間平均レートより筆者作成

銀行預金(貯金)の金利ではこのような水準ですが、資産の運用先は、債券や保険商品などさまざまです。今後の予測と現在の水準との比較で、検討されるとよいでしょう。

金利と関係が深い、インフレ・デフレ

さて、金利は経済の景気と非常に深い関係があります。先の今後の予測は不可能、とは言ったものの、ある程度の自分なりの予測を立てるときに、一つの材料となるのが「インフレ・デフレを考える」ことです。

景気が良いときは、物価上昇(インフレ)が起こりやすいので、その分貨幣価値が下がります。インフレ局面(デフレ→インフレへの移行場面)では、金利は上がりやすい傾向にあります。貨幣価値が下がった分、銀行は金利を上げないと皆さんが預金解約をする傾向にあるからです。

逆に景気が悪いときは物価が下がる(デフレ)傾向にあり、その分貨幣価値が上がります。デフレ局面(インフレ→デフレへの移行場面)では、金利が下がる傾向にあり、これは銀行が金利を下げてもお金の価値が上がっている場面では、みんなが預金しようとするからです。

これらは経済のセオリーです。今現在の異次元緩和と呼ばれる政策の中では、一部セオリー通りになっていない現状も見られていますが、基礎知識として覚えておくと良いでしょう。

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佐々木 愛子

ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種 国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中...

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