事実婚にした場合の税金や保険のメリット・デメリット
パートナーとの愛の形は、結婚だけとは限りません。婚姻届けは出していないが、実質的な夫婦と同じ状態を「事実婚」と言います。事実婚を選んだ場合は、法律的な夫婦とどのような違いがあるのでしょうか。
事実婚と法律婚の違いとは
事実婚の反対は、「法律婚」。法律婚とは、婚姻届けを出して入籍をした、法的な婚姻のことです。そのため、事実婚と法律婚の違いは、婚姻届け=紙切れ一枚だけの差だと考える人もいますが、この一枚の差は決して小さくありません。
結婚には、法的な義務や権利が発生します。そのひとつがお互いに支えあうことです。そして、事実婚ではそのような義務や権利に縛られないとも言えます。
法律婚の、主な義務と権利は以下のものです。
法律婚の義務
同居、相互扶助の義務
夫婦は同居して、お互いに協力しなければなりません。
夫婦の生活費を収入・資産に応じて負担する義務
夫婦の生活にはお金がかかりますが、収入・資産が多いほうは、少ない配偶者よりもたくさんのお金を出さなくてはいけません。
未成年の子の監護義務
夫婦に未成年の子がいれば、親権者の両親は子供を監護(監督と保護)し、育てていくためのお金を負担しなければなりません。
法律婚の権利
財産分与請求権
離婚する場合、財産が少ないほうは、多いほうに財産を分けるように請求する権利があります。
相続権
夫婦の一方が亡くなった場合、生きているもう一方は財産(遺産)を相続する権利があります。
一般常識として、夫婦になったらこういうものと思っていることが、法律にも定められているのですね。
一方、事実婚はこのような義務や権利は基本的にありません。それは、法律に守られた婚姻関係ではないからですが、このような義務や権利に縛られない関係を望むカップルが事実婚を選んでいると言えるでしょう。
お互いに自由を尊重し、経済的にも自立しているケースが多いのもうなずけます。
これらの義務や権利を踏まえて、税金にも事実婚と法律婚で扱いが異なることがあります。事実婚のメリットとデメリットを考えてみましょう。