金価格が高騰!今から買っても間に合うのか
金価格が高騰しているのをご存知ですか?2020年7月、9年ぶりに最高値を更新し現在も最高値近辺で推移しています。今回の金高騰を機会に金の投資に関心を持たれている方もいらっしゃるかと思いますが、高値の状況で買ってもいいのかと二の足を踏んでしまう人も多いのではないでしょうか?
今回は、これまでの金価格高騰の推移を確認し、具体的な金の購入方法についてご紹介します。
なぜ金は上がったのか
2020年7月に金価格は史上最高値を更新しました。金の価格はこの1年で30%以上上昇したことになります。
金価格高騰の理由には、コロナウイルス感染拡大による経済の混乱や先進国を中心とした低金利政策、量的金融緩和、金ETF(上場投資信託)の存在が挙げられています。
金は「有事の金」といわれるように、経済的に大きな混乱が起こりそうな時には買われる傾向があります。経済的に大きな混乱時は、株価も大きく下がることがあります。このような株価が大きく下がる時に「有事の金」は安全資産として買われる傾向が強くなり、金価格は上昇します。特に金は、有事の際に保有資産全体の下落を抑えられる効果が期待され、選ばれてきた投資対象です。
今回のコロナウイルス感染拡大は世界的な「有事」です。「有事の金買い」につながり金価格上昇に影響したとみられています。
また日本や他の先進諸国の低金利政策が続いて、低金利の債券への投資メリットが低くなっています。これまで債券投資に回っていたお金が金投資に向けられているのも、金価格上昇要因の一つに挙げられています。
さらに量的金融緩和によって世の中にお金が大量に供給され、行き場のないお金が金買いに向けられ、金価格が上昇しているともいわれています。
様々な要因が影響し金価格が上昇していますが、史上最高値を更新したというニュースを聞くと心配になるのが、今、高い値段で買って良いの?ということですよね。有事が収まると金を買う人が少なくなり今後は下がるという見方もできます。
ただ、まだ金価格は今後も継続して上がっていく可能性があるとみています。その理由は金ETFの存在です。
年金基金などの機関投資家は最近、金ETFを通して金投資を増やしています。年金基金などの機関投資家は、株式や債券などの有価証券にしか投資することができなかったのですが、2003年の金ETFの登場によって、金ETFという有価証券を通して金投資が可能になりました。年金基金は長期投資を行う機関です。
今回の金価格高騰要因には、年金基金などの機関投資家による金ETF購入増も挙がっています。今後も年金基金などの機関投資家は、運用成果の向上やリスク分散を図るため金ETFへの投資を継続する可能性は高いです。このような機関投資家の動きから金価格は今後も上がっていく見込みはあるとみています。
SARSや米国同時テロなど有事の時はどうだったのか
NY金(ゴールド)ロングチャート
資料:楽天証券HPより引用
今回、大幅な金価格上昇にはコロナウイルス感染拡大という有事が大きく影響しているとみていでしょう。過去の「有事」の際、金価格はどのように動いたのか気になるかと思います。楽天証券が公表している過去45年間の金価格の値動きを表したグラフを参考にしながら確認してみましょう。
新型コロナウイルスと関連して思い出すのが、2002年11月に中国で生じたSARS(重症急性呼吸器症候群)です。SARSは2003年7月に終息宣言が出されていますが、2003年頃の金価格の動きをみてみましょう。2001年の米国同時テロという有事をから金価格が上昇基調に入り、その後2003年にSARSが流行し上昇は続きました。この頃、同時に起こっている有事にはイラク戦争があります。
その後、2008年にリーマンショックという有事があり、金価格はさらに上昇し、日本ではアベノミクス効果もあってか経済回復とともに下落に転じていきます。再び金価格が上がり始めるのは2019年あたりからです。この頃の有事としては米中貿易摩擦問題の深刻化、北朝鮮問題、新型コロナウイルスの感染拡大などが挙げられます。
このように、過去の金価格の動きを見てみると、金は有事の影響を受けて上がる特徴があるということはいえそうです。