【Z世代のマネー学】投資信託とETFは何が違う?どちらがおすすめ?
1本買うだけで複数の投資先にまとめて投資できる商品に、投資信託とETF(上場投資信託)があります。その名前のとおり、投資信託もETFも、どちらも「投資信託」なのですが、投資信託とETFにはさまざまな違いがあります。
今回は、投資信託とETFの違いを徹底的に解説。投資信託とETFのどちらから投資すべきか、考え方をご紹介します。
どちらも「投資信託」 違いは上場しているかどうか
投資信託は、資産運用の専門家が、投資家から集めた資金を運用してくれる商品です。投資の結果、運用先の金融商品が値上がりすれば、値上がり益が受け取れます。また、保有している間に分配金がもらえる商品もあります。
投資信託の投資先は商品によって異なります。たとえば「株式だけ」「債券だけ」「不動産だけ」などと、単一の資産に投資する投資信託もありますし、「株式と債券」「株式と債券と不動産」などと、複数の資産に投資する投資信託もあります。また、投資先の地域も「国内」「先進国」「新興国」「全世界」などと分かれています。
投資信託の運用方法には、大きく分けて株価などの指標(インデックス)と連動することを目指す「インデックスファンド」と、目標とする指標を上回る成果を目指したり、目標を設けずにできるだけ利益を挙げようとしたりする「アクティブファンド」の2種類があります。
一方、ETFも投資信託ですが、ETFは証券取引所に上場している点が投資信託と異なります。ETFのほぼ全てがインデックスファンドとなっていて、上場アクティブファンドは僅少です。
つまり、投資信託とETFの大きな違いは「上場しているかいないか」。上場していないのが投資信託、上場しているのがETF、というわけです。
投資信託とETFの8つの違いを比較
投資信託のうちインデックスファンドと、ETFの違いをより細かくまとめたのが次の表です。ひとつずつ、比較して紹介します。
●インデックスファンドとETFの違い
①販売会社
インデックスファンドは上場していないので、その商品を取り扱う銀行や証券会社などで購入します。銀行や証券会社により、取扱いのあるインデックスファンドが異なります。
それに対して、ETFは上場していますので、証券会社を通じて証券取引所に注文を出して購入します。
②取引価格
投資信託の値段を「基準価額」といいます。投資信託の基準価額が更新されるのは1日1回のみで、売買が成立した日(約定日)の基準価額で取引が行われます。一方、ETFは証券取引所で売買される市場価格で売買されます。市場価格は株式と同様に、市場が開いている間にリアルタイムで変動します。
③取引可能時間
インデックスファンドの売買注文は、ほぼいつでもできます。ただ、実際に注文が成立(約定)するタイミングは、銀行や証券会社などの販売会社、商品の種類などにより異なります。たとえば「15時までは当日注文、15時以降は翌営業日注文」の商品の場合、平日15時までの注文であればその日の注文、15時以降の注文は翌営業日の注文として処理されます。投資先が国内の商品であれば注文日、国外の商品であれば注文日の翌日に約定することが多いようです(商品により異なります)。
ETFの売買注文も、ほぼいつでもできます。ただETFの場合は、取引所立合時間(東証の場合、平日9時〜11時30分・12時30分〜15時)に行われた注文はリアルタイムで処理されます。ですから、注文してすぐに約定することもあります。
④発注方法
ETFの取引は株式と同じです。ETFの値段を指定せず今すぐ売買する「成行注文」や、ETFの値段が指定した金額になったら売買する「指値注文」が利用できます。一方、投資信託には、成行注文・指値注文といった発注方法はありません。
⑤購入時手数料(売買手数料)
投資信託を買うときにかかる手数料が購入時手数料です。インデックスファンドは、購入時手数料がかからない「ノーロード」のものが多くなっています。つみたてNISAの対象になっている投資信託もすべてノーロードです。
その点、ETFの場合は株式投資と同じように売買手数料がかかります。売買手数料の金額は、利用している証券会社によって異なります。売買手数料は、買うときにも売るときにもかかります。もっとも、証券会社によっては「約定金額100万円までは売買手数料無料」などとしている場合もあります。この場合、100万円までの売買であれば売買手数料はかかりません。
⑥信託報酬
信託報酬は、投資信託を保有している間にかかる手数料です。近年、インデックスファンドの信託報酬はずいぶん安くなりましたが、それでもETFの信託報酬のほうが安くなっています。
⑦最低購入金額
インデックスファンドは、多くの金融機関で1,000円から購入可能。ネット証券など、金融機関によっては100円から購入できます。それに対して、ETFは最低でも取引価格×1取引単位の資金が必要です。取引価格は銘柄により異なりますが、おおよそ1万円〜10万円ほどの資金が必要になります。
⑧分配金の自動再投資
インデックスファンドで得られた分配金は、自動的に再投資できます。分配金を再投資することで投資の元本が増えるため、投資で増えたお金が新たなお金を生み出す「複利」の効果を生かしやすくなります。しかし、ETFには分配金を自動で再投資できる仕組みがほとんどありません。