20代からの資産運用、何から始める?

20代からの資産運用、何から始める?
マネーケア

値動きを見れば興味が湧く

スマホ証券のアプリをいくつかダウンロードしたら、画面や操作の分かりやすさを比較してみましょう。しっくりくるものを選んだら、少しずつ投資を始めて、値動きを見ていきます。

すると株価が上がったり下がったり、そしてなぜ株価は値動きをするのか、興味がわいてくるのではないでしょうか。

値動きの理由はさまざまです。新型コロナウイルスの感染が広がり、在宅勤務が増えてきたら、インターネットのセキュリティ関連の銘柄が買われて値上がりしたこともありました。一方でホテルなどの観光関連の銘柄は値下がりしました。

このように、株価の値動きのヒントは、身近なところにあることがわかります。

難しい専門書で経済や株価の仕組みを勉強するより、暮らしのなかで発見することも多いでしょう。最近人気の商品を扱っている会社や、ニュースで新しい取組みが紹介されていた会社など、注目の会社の株価を見ることで、今後のトレンドを予測することもできます。

会社の強みをリサーチして、将来性を考えるのもいいでしょう。また、決算報告書から売上高や営業利益を見るのもいいですね。気になるところから始めていくと、無理なく投資のスキルを上げることができます。

これから、どんな株が値上がりしそうか、じっくり投資センスを磨いてください。

NISA・iDeCoの非課税制度を利用する

せっかく資産運用をするなら、利益はできるだけ大きくしたいものです。しかし、大きなリターンを望むなら、それと同じくらい損失を出すリスクもとらなくてはなりません。利益と損失は、コインの裏表なのです。

しかし、リスクなしでリターンを増やす方法がいくつかあります。さきほど述べた、売買手数料を安く抑えることもそのひとつ。

そして、つみたてNISA(積立ニーサ)やiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)といった非課税制度です。

投資で利益を得ると、その利益には20.315%の源泉所得税がかかります。つまり、10万円の利益がでると、2万315円の税金が差し引かれ、手元には7万9685円しか残らないということです。そこで利用したいのが非課税制度です。

つみたてNISA(積立ニーサ)やiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)で運用した場合には利益が非課税なので、さきほどの例なら10万円がまるまる自分の手元に戻る仕組みです。

つみたてNISAは年間40万円までの投資が可能、iDeCoは加入している公的年金制度の種類によって上限額が決まっています。

つみたてNISAはいつでも解約して現金化できますが、iDeCoは年金なので基本的に60歳までは引き出しできません。その代わり、iDeCoには掛金が全額所得控除になったり、受取時に税制優遇があったりとメリットが多くあります。ライフプランに応じた運用方法を選びましょう。

最低でも生活費の6カ月分を貯めてから

投資をすれば、資金を増やすチャンスがあります。それは同時に、損失を出すリスクもあるということ。投資の損失は、生活に影響を及ぼしてはいけません。

最低でも生活費の6カ月分を、預貯金残高で確保したうえで投資をしていきましょう。

生活費の6カ月分のお金は、いざという時の緊急予備資金です。病気やケガで働けなくなったり、勤務先がいきなり倒産してしまったりしたときに、手元にそれだけのお金があれば当面の生活には困りません。

そして、利益が出たからといって、生活を急に豊かにするのもいけません。

いったん上げた生活パターンを下げることは難しいものです。投資の利益や損失は生活費とは切り離して管理して、投資を粛々と続けることが中長期で利益を出すコツです。

貯蓄と投資を組み合わせることで、より安心できる生活がかないます。

20代からはじめて、ゆとりの暮らしを手に入れましょう。

タケイ 啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。 36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務...

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