【最新!暮らしのお金の実態調査】平均年収では足りない人が大多数
生活スタイルや同居世帯数の違いによって満足度に傾向はあるの?
次に、生活スタイルや同居世帯など、家族構成により満足度に変化があるのかどうか見ていきましょう。
子どもがいる家庭の方が金銭的な満足度が低い
家庭に子どもがいるかいないかによる満足度の違い
図:筆者作成
子どもがいる家庭と子どもがいない家庭にグループ分けして満足度を分析してみると、子どもがいる家庭での満足度は19%、子どもがいない家庭での満足度は30%でした。両者の間には10%ほど開きがあります。
子どもがいる家庭の満足度の傾向
図:筆者作成
家族構成別にみて満足度が高いのは、配偶者と子どもとの同居で、夫婦共働きのケースも含まれます。配偶者と孫と同居しているケースでも満足度が高く出ましたが、n値は5世帯と少なく、全体への影響はわずかです。配偶者、子ども、親世代との同居や、子どものみと同居している場合は満足度が低い傾向が分かります。
子どもの教育費は、進路により異なりますが、成人するまでに800万円~2,000万円かかると言われており、出費が大きいことが分かっています。これらの資金繰りや食費・住居費など、日々の生活にかかる金額の高さが、生活に関わるお金の満足度を引き下げていると考えられます。
2世帯同居家庭は単身世帯の4倍も満足度が高い!
同居世帯数による満足度の差
図:筆者作成
次に、同居している世帯数によって満足度に変化があるかどうかを見ていきましょう。グラフを見ると、2世帯同居の家庭の満足度が突出して高いことが分かります。なんと単身世帯の4倍以上の割合です。
2世帯同居家庭の内訳
図:筆者作成
2世帯同居家庭の満足度の傾向
図:筆者作成
この層を占めるのは「回答者と自身の親との同居」や、「回答者夫婦とどちらかの親との同居」といった生活スタイルの回答者です。特にパラサイトシングルと言われる人の満足度が99%と高いことが分かります。パラサイトシングルは、生活費は親が出していて、自分のお金は自身のためだけに使える人が多い傾向があり、こういった人の回答が満足度を押し上げています。
また、単身よりも夫婦の満足度が高い傾向にあるのは共働き生活をしているケースもあることが想像できます。夫婦より核家族の満足度が高い傾向が分かりますが、これは共働きの核家族の家庭が満足度を引き上げているようです。
生活費の満足度は高くないのが現状
今回の調査では、生活費に満足しているという回答者は全体の24%でした。平均年収よりも稼いでいる層の満足度も決して高いわけではないことが特徴的で、実際の年収と理想の年収に差があることが分かります。
生活スタイルによっても満足度は異なり、特に子どもがいる家庭や、子どもがいて同居世帯数が多い家庭では、生活費に満足していない傾向が分かりました。年代別にみると、50代以上になると満足度が高くなり、暮らしが安定している人が多いことが分かります。