4章第6話:「陽気なピーナッツ」/恋する3センチヒール

恋する3センチヒール

改めて資産形成をする理由を感じた俊明。
勝手に玲奈との将来を考えてしまったがある失態をして怒られてしまい…
前回 4章第5話:「時間軸」

4章第6話「陽気なピーナッツ」

「老後って、どうなるんですかね…」

俊明くんが、紺色のジャケットの下に着ているTシャツには、サングラスを掛けてギターを弾くピーナッツのイラスト。
イラストとは対照的に、深刻そうな表情で、俊明くんは私が書いた時間軸表を見ている。

「30年も私達って、生きていないもんね」

「30年後、僕生きていますかね?」

不安そうな顔をしてレモンスカッシュを飲む俊明くん を見て、思わず笑ってしまった。
あまりにも、「しょぼん」という効果音が似合う。

「俊明くんにイイコトを教えてあげる。60歳まで生きている確率は、90%以上超えているから大丈夫だよ!」

「あっ、そうなんですね。けれど、10%って大きいですよね?」

「だから、保障が必要なんだよ」

お兄ちゃんの笑顔が浮かんで、私はスカートの裾をギュッと握った。

「俊明くんは、何か保険は入ってるの?」

腕を組んで、左上を見ながらしばらく考えた後、俊明くんは首を傾げた。

「多分、会社で入社時に入ったやつしか入ってないです」

「えっと、多分っていうことは、自分がどんな保険に入っているか把握してないの?」

少し恥ずかしそうな顔をしながら、俊明くんはポリポリと自分の顔を掻いた。

「把握してない…です」

「こらっ」

腰に手をあてて、 じっと俊明くんの目を見ると「すみません…」と俊明くんは小さな声で言った。

「そういうのは、ちゃんと確認しておいた方が良いよ。会社の確定拠出年金とかも運用先確認せずに適当に回している人がいてビックリしたもん。自分で自分のことは、把握しておかないと」

「そうですよね。掛け捨てで医療保険には確か加入したんですけど、それくらいしか分かっていないです」

「そっか。そしたら終身保険には加入してないの?」

「恐らく…」

自信が無さそうな顔をして、俊明くんは小さな声で答えた。

「不動産を購入すると、金融機関とローンを組む時に必ず団体信用生命保険が付くのは知ってる?」

「なんか保険が付くのは、知ってます。けれど、今まで投資として不動産のことは考えていたので、保険っていうメリットは感じていなくて…」

「まずは、投資っていう思考の前に保障について考えた方が良いと思うよ。団体信用生命保険は、住宅ローンの返済中にローンの契約者が亡くなってしまったり、高度障害になった場合に不動産が無借金で残るっていうものなの。残った不動産は、持ち続けて家賃収入を得ても良いし、売って売却益を出しても良いし!」

さっきまでとは違い、俊明くんの表情が少し明るくなった。

「保障っていう面では、あまり考えられていなかったです。けれど、確かに家族がいたとして、不動産が無借金で残ったら嬉しいですよね」

「保険でも同じように保障として残すことが出来るけれど、保険で3000万円とかの保障を付けるには、月々の負担金も不動産よりかかってしまうの。ただ、保険は条件を満たせば、まとまった現金が手に入るところは良い点だけど、一定期間の払い込みをしないと終身保険の場合は保障として機能するまでにならなかったりするしね。今、俊明くんが特に終身保険とかに加入していないのであれば、不動産投資を保障の一つと考えてはじめても、メリット出せるんじゃないかなって」

俊明くんは、大きく頷いた。

「僕のことについて、真剣に考えて下さりありがとうございます。もう少し、自分でも自分の保障について考えてみますね」

「うん、考えてみて」

改めて陽気なピーナッツ が視界に入って、思わず笑ってしまった。
俊明くんは、少し不思議そうな顔をしながら、レモンスカッシュのさくらんぼを食べた。

4章第7話:「風が吹けば桶屋が儲かる」

みかみ

パグ犬愛好家。 趣味は、投資。夢は、世界を虜にする小説家。

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