【Z世代のマネー学】毎日積立vs毎月積立、有利なのはどっち? 検証してみよう
毎月積立と毎日積立を検証比較してみよう
では、先ほどのS&P500に毎月積立した場合と、毎日積立した場合で、利益にどのくらいの差が生まれるのかを検証してみましょう。
毎月積立では、毎月末に3万円ずつ投資を行います。それに対して、毎日積立では毎営業日に1500円ずつ投資を行います。
また、上で紹介した積立期間20年(2001年8月1日〜2021年7月31日)のほか、10年(2011年8月1日〜2021年7月31日)、5年(2016年8月1日〜2021年7月31日)の場合も合わせて計算しています。
S&P500の毎月積立vs毎日積立
S&P500は「Yahoo!ファイナンス」、 為替は「東京インターバンク[東京市場]ドル・円スポット17時時点」のデータを元に筆者作成
毎月積立と毎日積立では、営業日数の関係から、積立元本の金額が変わってしまいます。ですので、比較すべきは収益率です。この収益率は累積収益率です。
積立期間20年の場合、毎月積立が215.33%なのに対して、毎日積立は215.91%となっています。
20年間で収益率の差はわずかに0.58%しかありません。単純計算で、1年あたり約0.03%の違いなのですから、ほとんど誤差の範囲といってもいいでしょう。
同様に、積立期間10年の場合、毎月積立が127.59%なのに対して、毎日積立は129.64%(10年間での収益率の差は2.05%)。積立期間5年の場合は毎月積立が55.31%、毎日積立は56.29%(5年間での収益率の差は0.98%)。となっています。
積立期間20年のときよりは少し差がつきましたね。結果を見る限りでは、さほど大きな差ではないことがわかるでしょう。
TOPIXで計算しても…結果はそれほど変わらない
このように毎月積立と毎日積立の差がつかないのはS&P500だからでは? という方のために、同じ計算をTOPIX(東証株価指数)でも行ってみました。
TOPIXは、日本でもっとも大きな証券取引所、東京証券取引所(東証)の第一部に上場しているすべての会社(2000社以上)の株価をもとに算出される株価指数です。テレビなどのニュースでも、TOPIXの数値はよく報じられています。S&P500同様、TOPIXに連動を目指す投資信託もあります。これを1本買えば、2000銘柄以上に分散投資したのと同じ効果が得られるというわけです。
結果は、次のとおりです。
S&P500とTOPIX 収益率の違い
著者作成
このように、TOPIXでも毎日積立と毎月積立の収益率の差は1%にも満たないことがわかります。
したがって、毎月積立と毎日積立で特段悩む必要はないと考えます。もしも毎月積立しかできない金融機関を利用し、すでに積立投資をしているというのならば、このまま毎月積立を続けておいていいでしょう。
とはいえ、多少であっても、毎日積立の方が収益率がいいのも事実。前述のSBI証券や楽天証券、マネックス証券など、毎日積立を選べる証券会社を利用しているのであれば、毎日積立を利用すればいいでしょう。