【Z世代のマネー学】短期vs長期、一括vs積立、集中vs分散、どっちの投資が良いの?

短期vs長期、一括vs積立、集中vs分散、どっちの投資が良いの?
マネーケア

個人で手軽に分散投資できるバランスファンド

ここまでで、長期・積立・分散投資の大切さがおわかりいただけたと思います。
機関投資家は、長期・積立・分散投資を通じて、お金を減らさずに増やす投資を実践しているのです。

とはいえ、「プロでもないのに、長期・積立・分散投資をするなんて大変」と思われる方もいるでしょう。確かに、日々何かと忙しいミレニアル世代・Z世代のみなさんが、投資先をひとつずつ吟味して投資するのは大変でしょう。また、投資しようにもまだ資金が少ないという方もいると思います。

そうした方におすすめなのが、「バランスファンド」と呼ばれるバランス型の投資信託です。
投資信託は、投資家から集めたお金をプロがまとめて投資する金融商品。
バランス型は、1本買うだけで国内・海外の株式・債券・不動産など、複数の資産に投資できる投資信託です。

たとえば、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)であれば、1本買うだけで国内・先進国・新興国の株式と債券、国内外の不動産(リート)に12.5%ずつ、均等に投資できます。
また、ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)であれば、国内の債券と株式、海外の債券と株式に25%ずつ均等に投資できます。

この2本はどちらも信託報酬(投資信託の保有中にかかる手数料)が年0.154%と低水準。しかも、しばしば競って値下げしていることから、投資家にも人気です。
そのうえ、資産のバランスの偏りを調整する「リバランス」も自動的にしてくれるので、細かなメンテナンスは不要。積立購入の手続きをしたらほったらかしておくのにも向いています。

長期・積立・分散投資は非課税制度と組み合わせよう

せっかく長期・積立・分散投資をスタートさせるのですから、少しでもお金を有利に増やしたいですよね。
そんなとき、ぜひ活用していただきたいのが非課税制度です。
投資で得られた利益には、通常20.315%の税金がかかります。
たとえば、10万円の利益が出ても、税金で2万円ほど引かれてしまうため、手元に残るお金は8万円に満たない程度になってしまうのです。
しかし、非課税制度を利用すれば、10万円を丸ごと受け取ることができるのです。

長期・積立・分散投資にもっともおすすめの非課税制度は、つみたてNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)です。

つみたてNISAでは、金融庁の基準を満たした投資信託を毎月コツコツ購入します。そして、毎年40万円までの投資で得られた利益を20年間非課税にできます。
2021年からスタートすれば、2042年までの22年間、最大で880万円まで非課税で投資可能。なるべく早くスタートして、少しでも非課税の恩恵を受けるのがおすすめです。
ネット証券の楽天証券、SBI証券、マネックス証券などでは100円程度の少額からスタートできます。

また、税金を節約するという観点では、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)もおすすめ。iDeCoは現役時代に一定金額を毎月積み立てて運用し、老後に受け取る制度です。
iDeCoでは、運用益の非課税に加えて、掛金を出すことで毎年の所得税や住民税が安くできます。そのうえ、受け取るときにも税金の優遇が受けられます。

つみたてNISAより節税に役立つのですが、最低投資金額は毎月5000円からで、原則60歳まで引き出すことができません。
これからライフイベントが控えるミレニアル世代・Z世代の方で、投資に回すお金が少ないのであればまずはつみたてNISAを優先したほうがいいでしょう。とはいえ、余裕ができたらiDeCoも併用するのがおすすめです。

非課税制度を活用し、プロと同様の長期・積立・分散投資をすることで、堅実にお金を増やしていきましょう。

【ミレニアル世代のマネー学】信用リスク、カントリーリスクとの付き合い方

頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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