片づけのプロ直伝!冷蔵庫整理のポイントは3つの「ない」

片づけのプロ直伝!冷蔵庫整理のポイントは3つの「ない」
マネーケア

片づけのプロ・ライフオーガナイザーの筆者が、冷蔵庫整理のポイント「混ぜない」「隠さない」「探さない」を実例付きでご紹介。冷蔵庫を整理すると、消費・賞味期限切れによる廃棄や、在庫があるのに購入してしまう二重買いを防止でき、結果的に食費が節約できるというメリットもあるので、ぜひ参考にしてください。

冷蔵庫整理のポイント1|混ぜない

食費の節約に取り組む際、支出を減らすことばかりでなく、無駄にしている食品がないかを合わせて考えると効果的です。食品ロスや二重買いを防止するためには、まず冷蔵庫を整理して、中の食品を把握できるようにしましょう。

冷蔵庫整理のポイント、ひとつ目は「混ぜない」です。
冷蔵庫の扉を開けて全体を見渡したとき、どこに何があるのかすぐに分かりますか?冷蔵庫整理の一番の目的は、何が、どこに、どれだけ入っているのか把握できることです。

購入した食品を、空いているスペースにパズルのように当てはめて入れるのではなく、同じ種類や同時に使うものに分けて入れておくことが大切です。なぜなら、あちこちに点在させてしまうことで、何がどこにあるのか把握しにくくなるからです。把握できないことで賞味期限が過ぎたり、忘れていて二重に購入してしまったり、ということが起こりやすくなります。

ここでは、冷蔵庫の中の食品の種類や用途を「混ぜない」ための方法をお伝えします。種類や用途を混ぜないためには、「場所を決める」「スペースを区切る」「余白スペースを作る」の3つが必要です。

場所を決める

まず、ザックリとで構いませんので、冷蔵庫の中で食品を入れる場所を決めましょう。棚板ごとに決めるだけでも、かなり整理されます。場所を決めることで在庫の把握がしやすくなり、二重買いを防止できます。

例えば、チルドルームに生鮮品、低い位置にはお子さまが出し入れするもの、という具合に定位置を決めてみましょう。目線の位置には賞味期限が早い食品や余ったおかずなど、早く食べる必要があるものを入れると使い忘れがなくなるのでおすすめです。

スペースを区切る

次に、スペースを区切ることを意識しましょう。例えば、ジャムの瓶をトレーにまとめたり、ごはんのお供をまとめて収納ケースに入れたり、スペースを区切る工夫をしておくことで、冷蔵庫内で食品がバラバラに移動してしまうことを防げます。

余白スペースを作る

余裕があれば、余白スペースを作ることをおすすめします。なぜなら、イレギュラーなことが起こったときに対応できるからです。例えば、頂き物のケーキの箱やスイカ。急に冷蔵庫に入れる必要があるとき、冷蔵庫の中のものを大移動させてしまうと、そのことをきっかけに冷蔵庫内部が乱れることが多いのです。

出来れば1段ほど普段何も置かないスペースを作っておくと、急な頂き物でも慌てませんし、作っておいたカレーを鍋ごと冷やしておくこともできます。

参考までに、筆者宅の冷蔵庫をご紹介します。

筆者撮影

最上段:ぬか床・飲料水・フライドオニオン
2段目:オリーブオイルスプレッド・梅干しや佃煮・ジャム類・バター・醤油
3段目:乾物類のケース、朝食用のチーズやハムのケース・右側は常備菜や使いかけの食材
4段目:ニンニクの醤油漬け・生姜の蜂蜜漬けなど常備しているもの
チルドルーム:ビール・肉・魚など

4段目は、常備している3つの瓶以外のスペースは空けるようにしています。空いたスペースには大きな鍋を入れることができますし、下処理前の大きな塊肉なども余裕で入ります。

筆者撮影

場所を決めたりスペースを区切ったりすることで、おおよその場所が決まり、庫内の食品が混ざりにくくなります。余白スペースを設けることでイレギュラーなことが起こっても、大きく冷蔵庫内が乱れることがありません。

冷蔵庫整理のポイント2|隠さない

冷蔵庫整理、ふたつ目のポイントは「隠さない」です。
冷蔵庫の中で、いわゆる死蔵品と呼ばれるものが生まれてしまう原因のひとつに、奥に隠れていて存在を忘れてしまうことがあります。食品が奥に追いやられてしまわないためには、「配置決め」「奥まで使う」「デッドスペース」の3つに工夫が必要です。

目が届く範囲を確認して配置決め

冷蔵庫は大容量だとしても、実は使いやすいスペースは限られており、目が届く範囲や手に取りやすい範囲以外は注意が必要です。それは、目線が届かないことで食品の存在を忘れてしまうことが、往々にしてあるからです。早く使う必要がある生鮮食品や常備菜、賞味期限が短いものは、扉を開けてすぐに目に入る位置に配置しましょう。

筆者宅では、目が届きにくい最上段に、ぬか床や賞味期限が長い飲料水を入れています。ぬか床は既に毎日出し入れする習慣があり、目が届きにくい位置でも忘れることがないことから最上段に配置しました。

奥まで使う工夫

筆者宅の冷蔵庫は、棚板のサイズが奥行き30cm以上。それほど大きな冷蔵庫ではありませんが、これだけの奥行きを使いこなすのは至難の業です。ジャムの瓶や小さな食品は、奥に追いやられてしまうと見つけることができなくなりそうです。

たとえ場所を決めていたとしても、奥まで使う工夫をする必要があります。トレーや収納用品を使って、同じ種類の食品をまとめ、手前に引き出して使えるようにすることをおすすめします。

筆者撮影

筆者宅で使用している収納用品は、100円ショップで購入したものです。収納したいものの大きさに合わせて異なる形状のケースを使用していますが、同じシリーズで揃えておくと冷蔵庫内に統一感が出ます。

デッドスペースの使い方

冷蔵庫の最上段や奥側はデッドスペースになりがちですが、無理に有効活用せず、使わないという選択もあります。使いにくい場所に食品を入れないことで、結果的に食品ロスの発生を防止することができるのです。

筆者宅では上から2段目と3段目は奥に余裕がありますが、あえて手前に食品を配置し、奥側は使用していません。目が届きにくい最上段は奥行きを活かし、ペットボトルを寝かせて収納しています。

このように、配置決めや奥行きやデッドスペースの使い方に工夫をするだけで、食品が隠れることを防止できます。隠さない工夫で、食品ロスを減らしましょう。

冷蔵庫整理のポイント3|探さない

冷蔵庫整理のポイント3つ目は「探さない」です。
つまり、探さないといけないような冷蔵庫にしない、ということです。わざわざ探さなくても、一目で把握できる冷蔵庫を目指しましょう。

探さなくても一目で分かるシステム

これまで記したとおり、扉を開けて見渡した時に、何が、どこに、どれだけ入っているのか一目でわかることが理想です。そのためには、「見えないところに何が入っているのか分からない」という状況を作らないことが大切。冷蔵庫内に食品の定位置を決め、収納用品などを使って奥の食品も取り出しやすいよう工夫しましょう。

自分に合った保存容器の選び方

常備菜や余ったおかずを入れる保存容器にも、注意が必要です。なぜなら、自分に合った保存容器を使っていない場合、探しにくく忘れてしまいがちだからです。では、自分に合った保存容器の選び方について考えてみましょう。

ものを探す際、物体そのものを見て探すのが得意な方と、文字情報を頼りに探すほうが得意な方がいらっしゃいます。この得意な方法に合わせた保存容器を使うことで、探しやすさが格段に違ってくるのです。

例えば、中の食品が見えていると雑多な印象を受けがちで、文字情報で探すことが得意な方には、中身が見えない容器にラベルを貼る方法がおすすめ。逆に、中に入っている食品が見えたほうが探しやすい方は、ガラスの容器がおすすめです。


筆者撮影

左側から、中身が見えない容器にラベルを貼ったもの、下がガラスで中身が見える容器、フタもすべてガラスの容器、の順です。ご自身が、どのタイプが探しやすいのかイメージしてみてください。

おすすめの保存容器

それぞれのタイプ別に、筆者がおすすめする保存容器をご紹介します。

ラベルが貼ってある中身が見えない容器が探しやすい方には、野田琺瑯のホワイトシリーズ。
下がガラスの容器は、iwaki(イワキ)のパック&レンジ。
すべてガラスのオシャレ感がある容器は、ドイツのWECK(ウェック)社の商品です。
どの商品もスタッキングできて、冷蔵庫をスッキリと整理することができます。

中身が見えないと忘れてしまいがちな方は透明の容器、ラベルが貼ってある方が探しやすい方は、中身が見えない容器がおすすめです。ご自身に合った保存容器を使うことで、探さなくても一目でわかる冷蔵庫ができるので、ぜひ実践してみてください。

冷蔵庫整理のポイントは「混ぜない」「隠さない」「探さない」

冷蔵庫整理のポイント3つをご紹介しました。冷蔵庫が整理されていると、消費・賞味期限切れによる食品ロスや、在庫があるのに購入してしまう二重買いを防止できます。冷蔵庫を整理して、無駄をなくすところから家計の節約に取り組んでみてはいかがでしょうか。

井手本 亜希

元・汚部屋住人で片づけのプロ。整理収納アドバイザー1級。 幾度となくリバウンドを繰り返したのち、思考と空間整理の資格「ライフオーガナイザー®」を取得。 モノ...

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